日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

明治時代 開国に伴いつくられた灯台 福岡県北九州市門司区大字白野江

1868年(慶応3年)の12月7日、兵庫港が開港されました参照。これにともない外国船が関門海峡を行き来するときの安全を確保するために設置された灯台が、この写真の部埼(へさき)灯台です参照 部埼灯台(へさきとうだい) 1871年(明治3年)につくられはじめ…

伊美(いみ)という珍しい名前の地区

大分県 国東半島の北部に伊美(いみ)というめずらしい名前の地区があります。この語源について『国東半島 北浦部の地名を歩く(廣末九州男著)』に詳しい解説が紹介されていました。 神を祀る特別な場所を「いみち(忌み地、斎地)」と呼び、ここから伊美(…

大蛇の伝説がのこる滝 福岡県京都郡みやこ町犀川帆柱

福岡県の東部。福岡県と大分県をまたぐ英彦山(ひこさん)のふもとに、蛇淵(じゃぶち)の滝という、いかにも伝承がのこっていそうな名前の滝があります。「蛇淵の滝」の正式な名称は「鈴尾の滝」。どうして「蛇淵」という名前がついたのか?その由縁が『新…

難所の峠にたてられた稲荷神社 福岡県田川郡赤村大字赤

場所:福岡県田川郡赤村大字赤 座標値:33.617001,130.899099 福岡県京都(みやこ)郡と田川郡との県境に、今から約600年前に建立されたと伝わる稲荷神社があります。岩嶽(いわたけ)稲荷です。 県道34号線沿いに岩嶽稲荷の鳥居がみえる 岩嶽稲荷がある場所…

江戸期 11基の石仏 福岡県豊前市大字岩屋

場所:福岡県豊前市大字岩屋座標値:33.556133,131.059109 江戸期 11体の石仏 豊前市の「岩屋」という地名の場所にある岩洞窟には木造 薬師堂があります。薬師堂の周囲には石造りの五輪塔、宝塔のほかに上の写真のような石仏が11基まつられています。 これら…

岩洞窟 天井の飛天 福岡県豊前市大字岩屋

場所:福岡県豊前市大字岩屋座標値:33.556133,131.059109 羽衣をなびかせた天女が舞う 獣除けの柵を開いて山道をすすむと5分ほどで間口17m・奥行7m・高さ4mの洞窟に着きます。窟内にはお堂と石造の宝塔や仏様がならべられています。 岩洞窟へとのびる石段 …

数奇な運命をたどった庚申塔 大分県豊後高田市田染小崎 空木

2016年4月9日にであった、とても印象深い庚申塔をご紹介します。この庚申塔との出会いが印象にのこったのは、庚申塔がまつられている場所が桃源郷のような場所だったからです。 空木(うつぎ)の庚申塔 場所:大分県豊後高田市田染小崎空木 座標値:33.50442…

西大野八幡神社の庚申塔 福岡県北九州市小倉南区山本

場所:福岡県北九州市小倉南区山本座標値:33.798717,130.852227 自然石に猿田彦大神という文字が刻まれる 正面の猿田彦大神の文字に向かって右側に文化二(1805年)の文字がみえます。文化二の下には丑の文字らしきものがみえます。草木に埋もれ見過ごして…

飛行機のプロペラが祀られる神社 福岡県北九州市小倉南区

『北九州歴史散歩 豊前編(北九州市の文化財を守る会 編)』のP142に、飛行機のプロペラが奉納されている珍しい神社があるという情報が掲載されています。その神社は北九州市小倉南区にある西大野八幡神社です。 場所:福岡県北九州市小倉南区山本 座標値:3…

大岩に陽刻された国東塔はいつほられた? 大分県豊後高田市田染平野

2011年8月7日に、大分県杵築市から豊後高田市へとぬける山道を車で走っていると、豊後高田市田染の平野という場所で、このような看板をみることができました。 「福寿寺磨崖国東塔」と書かれた看板です。2011年当時のわたしは国東半島を巡りはじめたころで、…

農機具運転の安全を祈願する神さま【八所神社】 福岡県北九州市八幡西区野面

前回の記事でご紹介した、八所神社の石塔群参照が祀られている場所から、東へ約20mの場所に農機具運転の安全を祈願するための神さまがまつられています。この神さまは荒五郎様とよばれています(参照:『北九州の史跡探訪』(北九州史跡同好会)P.208) 八所…

八所神社の庚申塔 福岡県北九州市八幡西区野面

福岡県北九州市八幡西区の野面(のぶ)という地区に八所神社があります。『北九州市の史跡探訪』P.208では、八所神社は農業の神をまつり855年に創立された、とあります。 この八所神社境内のおくに石塔群がならべられており、このなかに庚申塔が祀られていた…

道案内の神さまとして祀られている塩土老翁(しおつちのおじ) 福岡県北九州市八幡西区下畑町

福岡県北九州市八幡西区の南部へ水を供給している巨大な貯水池があります。畑貯水池と呼ばれる、北九州市と新日本製鐵(株)が共有する貯水池です。この貯水池周囲には庚申塔がまつられていたり、鯉料理屋さんがあったり、畑観音と呼ばれる史跡がのこってい…

杉守神社の鉄(かね)の鳥居 福岡県北九州市八幡西区上香月

場所:福岡県北九州市八幡西区上香月 座標値:33.798887,130.738244 釜田曽助氏、藤原正次氏作の鉄製鳥居 北九州史跡同好会により作成された『北九州の史跡探訪』という冊子を拝読していると、P.200に、八幡西区上香月という場所の杉守神社に鉄でできた古い…

どうして山奥のお寺に、海のくらしに関わるものが祀られるのか 大分県国東市国東町大恩寺

大分県 国東半島のやや北東側に文殊山という標高616mの山があり、この山の北東側の山裾部分に文殊仙寺というお寺があります。西暦648年に建てられたとされるため、2020年時点では1370年ちかくの歴史があるということになります。 本堂である文殊堂 場所:大…

肋骨が数珠玉であらわされる仁王像 大分県国東市国東町大恩寺

場所:大分県国東市国東町大恩寺座標値:33.601998,131.614851 文殊仙寺参道に祀られる仁王像 文殊仙寺の参道を守る仁王像。胸骨から左右に伸びる箇所がモコモコとして異様な形だったのが以前から気になっていました。これは数珠玉をあらわしているそうです…

”神仏習合”をあらわす熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ) 大分県豊後高田市田染平野

六郷山と田染荘遺跡(櫻井成昭著)P.67-70を拝読していて、大分県豊後高田市にある熊野磨崖仏についての「こういった見かたがあるのか」という発見がありました。 その発見とは熊野磨崖仏が岩壁に刻まれている、その姿自体が神仏習合(しんぶつしゅうごう)…

道路わきにひっそりと祀られる神社 福岡県北九州市小倉南区大字新道寺

前回の投稿(2020/5/6)でご紹介した櫨ヶ峠隧道(はぜがとうげずいどう)の東側出入口から、東南東へ140mいった場所に大山祇(おおやまつみ)神社がまつられています。 場所:福岡県北九州市小倉南区大字新道寺 座標値:33.7784805,130.8584442 大山祇神社へ…

戦中 弾薬庫としてつかわれていたトンネル 福岡県北九州市小倉南区 新道寺

昭和6年(1931年)に完成され、第二次世界大戦中(1941-1945年)は弾薬庫として使用されていたという櫨ヶ峠隧道(はぜがとうげずいどう)。この隧道は北九州市小倉南区の道原(どうばる)という地区と、新道寺という地区をむすぶ県道28号線にあります。 櫨ヶ…

”中世”を感じさせてくれる場所 大分県豊後高田市田染

大分県豊後高田市の田染(たしぶ)では縄文時代からヒトが定住し、弥生時代には稲の栽培がおこなわれていました。 上の地図は大分県豊後高田市田染という地区を示したものです。田染地区のなかに、大門という地区があります。ここは桂川沿いの自然堤防上とな…

むかし国東半島で勢力をひろげていた田原氏の墓地【田原(たわら)家丸山墓地】 大分県杵築市大田沓掛

場所:大分県杵築市大田沓掛(くつかけ)座標値:33.509989,131.5605692011.6.28撮影 田原家丸山墓地の五輪塔群 これら30数基の五輪塔は1100年から1400年の間にかけて造られたと考えられています。田原氏は、室町から安土桃山時代にかけて国東半島で勢力をの…

どうして国東半島の東側がむかし栄えたのか【国東津について】

国東半島の東部には、古代、瀬戸内と福岡を結ぶ海上交通の要所がありました。国東津とよばれ、坂門津(大分市)・草野津(福岡県行橋市)とならんで主要な港湾でした。↓下の図は国土交通省のHPで公開されている史料で、平安時代における瀬戸内航路をしめした…

水が不足しがちな国東半島ではどのように水田が開発されたのか

大分県の国東(くにさき)半島では夏季、降水量がすくなく、さらに、半島では急こう配の河川がおおいこともあり水の確保が困難となっています。河川が急こう配であると、河川流域にじゅうぶんな水を供給しにくいのですね。 そんな国東半島を地形図でながめて…