メモ
当ブログで断片的に記録してきた現場の踏査データや写真を再構成し、体系的な電子書籍としてAmazon Kindleで2冊公開しました。 ブログでは日々の記録を時系列で提示していますが、書籍化にあたっては学術的なエビデンスや現地座標を軸に情報を構造化していま…
『NOISE(上)(下)』ダニエル・カーネマン,早川書房 『サイコパスから見た世界』デイヴィッド・ギレスピー,東洋経済新報社 レビュープラットフォームにおける極端な評価と判断ノイズの構造 レビュープラットフォームは、本来「事実とプロセスの共有」を通…
食べログやGoogleマップといったレビュープラットフォームにおいて、「〇〇が残念でした。もう行くことはないと思います。」という定型的な否定文を目にする機会は少なくない。 本来、プラットフォームにおけるレビューは、利用者が体験した客観的な事実や有…
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田 一史,平凡社 書店の経営者視点における構造的問題点と改善策 1. 小売業として成立しない4つの致命的問題 日本の新刊書店経営は、一般的な小売業の常識が通用しない極めて過酷な取引条件の上に立たされている。 …
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田一史,平凡社新書 世間で定説となっている「若者の本離れ」や「ネット・スマートフォンの普及」は、日本の町の本屋がつぶれてきた直接の元凶ではない。毎日新聞社の「読書世論調査」によれば、日本人の書籍の読書…
重大なトラブルの多くは、突発的な事故によって唐突に引き起こされるわけではない。その真因は、日々の業務や日常のプロセスの中に潜んでいた「微小な違和感」の看過と蓄積にある。 些細なエラーや兆候が見落とされる背景には、人間の認知特性に起因する3つ…
毎日の業務プロセスの最適化、あるいは、プライベートにおいての新しい行動計画の立案。未知の課題や複雑な業務に直面した際、情報の不足や結果への懸念から行動が停滞することがある。この不安の正体は、無秩序な状況を「一度で完璧に解決すべき問題」と誤…
参照:『サイコパスから見た世界』デイヴィッド・ギレスピー著,東洋経済新報社 災害便乗犯罪のシステム論的解釈と二面性 災害時に発生する空き巣や悪質商法、デマの拡散といった便乗犯罪や不都合な現象は、道徳論や「良心」への期待だけでは説明しきれない。…
社会は、わたしたちが想定する以上に、多様かつ異質な認知構造を持つ個体で構成されている。近年の精神医学や心理学の疫学データによると、共感能力が著しく欠如しているとされるサイコパス(精神病質者)は概ね20人に1人(約5%)の割合で存在する。また、…
『サイコパスから見た世界』デイヴィッド・ギレスピー著,東洋経済新報社 職場にいるサイコパスは、他人にいっさい共感をもたず、自分の利益(損得)のためだけに他者を利用する特徴を持つ。もし彼らが同じ環境にいる場合、「敵に回して戦わないこと」「関わ…
『サイコパスから見た世界』デイヴィッド・ギレスピー著,東洋経済新報社 社会一般において、サイコパスはおよそ20人に1人の割合で存在すると言われている*1。この統計的確率を考慮すれば、私たちが日常的に利用する車社会においても、その特性を持つ人物に遭…
『コンテキスト・リーダーシップ』山口周著,光文社新書 1. AI時代の知的生産とリーダーの真の役割 AIが「正解」を瞬時に提示する能力を持つようになってきている。そのため上司が部下に対して「何をすべきか(正解)」を指示するだけのリーダーシップは、組…
『コンテキスト・リーダーシップ』山口周著,光文社新書 リーダーの意図や背景にあるコンテキストが共有されず、言葉の表層だけで解釈されるためである。 リーダーが意図した指示が部下との間で齟齬を生む背景には、双方が置かれている「コンテキスト(文脈)…
『読書思考トレーニング』中崎倫子著,筑摩書房 読書を「仕組み(システム)」として設計しておく。 読書を筋トレのような「実技」と捉え、行動を引き出すための具体的な設計図(フレームワーク)が用意されている。自分自身は、Googleドキュメントと、Gemini…
『NOISE(上),NOISE(下)』ダニエル・カーネマン他 (著),早川書房 嫌な出来事やトラブルを「研究対象のサンプル(データ)」として客観的に収集することは、感情の揺れを抑え、判断のブレを防ぐ上で有効な手法である。嫌な出来事を単一の出来事として主観…
『地図から読む歴史』足利健亮著,講談社学術文庫 本書の「はじめに」や「序章」で示されている価値は、主に以下の3点として述べられている。 現在の景観が存在する理由の把握 地図や地名といったさまざまな形で残る「過去景観の残片」からかつての様子を復原…
会社内で発生した事故や不祥事に対し、直接的な利害関係を全く持たない「部外者(第三者)」がソーシャルメディアなどを通じて無数の非難を展開する現象が常態化している。令和8年(2026年)7月28日に発生した熊本地震直後の「イオンモール熊本」におけるガ…
物事を深く調べず、SNSなどの不確かな情報から自分に都合の良いものやセンセーショナルなものだけをかき集め、独自の理論(思い込み)を展開してしまう人がいるのはなぜか? 参照:『コンテキスト・リーダーシップ』山口周著,光文社新書 【理由】 1. バラバ…
参照:『コンテキスト・リーダーシップ』山口周著,光文社新書 AIが知的生産の過程の多くを担うようになるなかで、人間が最も価値を発揮すべき「最上流」の役割は何なのか? →アジェンダ設定(何を問うべきかを決めること)」である 知的生産を5つの工程に分…
『重力と恩寵』シモーヌ・ヴェイユ著,岩波文庫 だれひとり―ほんとうにただのひとりも―眺めていない瞬間の風景の美しさ・・・・・。 わたしがいないときの風景をあるがままの姿で眺める。 わたしはどこかに場を占めるたび、呼吸と鼓動で天と地の沈黙を穢して…
『重力と恩寵』シモーヌ・ヴェイユ著,岩波文庫 9.脱−創造(9) 「われわれは自分が放棄するものだけを所有する。放棄せずにかかえこむものは、指のあいだからこぼれていく。」P67 9.脱−創造(5) 「放棄。創造における神の放棄に倣う。」「われわれはなにか…
参照:『コンテキスト・リーダーシップ』山口周,光文社新書 世の中には数多くのリーダーシップ論が存在し、「優れたリーダーはビジョンを示す」「部下を信頼して仕事を任せる」といった「最高のリーダーの行動リスト」が広く共有されている。しかし、多くの…
『科学否定論はなぜ人をひきつけるのか』松村一志著,ちくま新書 科学否定論が人々を惹きつけるのは、単なる知識不足や非合理的な思考が原因ではない。むしろ、現代社会の仕組みやメディア環境、そして人間の心理的な欲求と深く結びついているためである。主…
『左川ちか詩集』川崎賢子編,岩波文庫,P35 料理人が青空を握る。四本の指あとがついて、次第に鶏が血をながす。ここでも太陽はつぶれてゐる。 たづねてくる空の看守。日光が駆け出すのを見る。 だれも住んでないからつぽの白い家。 人々の長い夢はこの家のま…
参照:『地図から読む歴史』足利健亮,P246‐254 福岡県久留米市の東方に連なる標高367.6m*1の「耳納山みのうさん」。 耳納山の北麓には山から流れ出た土砂による扇状地が東西に連続しています。古い時代ほど水がかりの悪い「野」の景観が広く展開していたこと…
参照:『思考の整理学』外山滋比古,ちくま文庫 頭の中に浮かんだアイデアは、すぐに消えてしまいます。それを防ぐために、思いついたことを、あたまの外部に記録し、仕事や生活で使える情報へと組み立てていくためには? 最初のメモはスピードを優先する ア…
参照:『思考の整理学』外山滋比古著,ちくま文庫 たくさんあふれる情報のなかにいても、単に知識や情報を蓄積するだけでは、独自の新しいアイデアは生まれない。ほんとうに大事なことは、単なる思いつきや断片的な情報を、時間をかけて「発酵」させ、高度な…
参照:『琉球・奄美の葬墓制』関根達人著,新泉社 お墓が語る命の循環と人間の優しさ 現代社会において、葬儀は数日でスピーディに終わるのが一般的です。効率が求められ、死という現実をできるだけ遠ざけて済ませようとする現代の感覚からすると、かつての南…
参照:『琉球・奄美の葬墓制―考古学から読み解く南島の社会』関根 達人著,新泉社 風葬からはじまった琉球の弔い 琉球・奄美の島々(琉球弧)では、初期のお墓は人工的な建造物ではなく、自然の洞窟や岩陰をそのまま利用した「ガマ(岩陰墓)」でした*1。 な…
今現在、私たちがおるところは豆助ですよね。その豆助は川崎にあって、川崎は日本にあって、日本は地球にあって、地球は宇宙にある……っちゅうことは、大げさなようで恥ずかしいけれど、われわれは宇宙人だとも言えると思うんです。「てつぼう」っちゅう詩に…