今年、最後の記事となります。
私事ですが、現在の勤め先を退職することになりました。理由は、私に執拗に絡んでくる人から距離をおくためです。
もしかしたら、この記事を読まれている方のなかにも、過剰にマウントをとられたり、根も葉もない噂話を広められ、特定の人から苦しめられたという経験をもつ方がおられるかもしれません。
こういった「危ない人」に苦しめられている方たちに向けて、なんらかの対処の参考になればいいなと思って、この記事を書いています。決して「危ない人」を非難するために書いているわけではないことを明記しておきます。
「危ない人」がどういう人か?というと
①他人に自分の価値観を過度に押し付ける*1
②周囲の人に自分の気に入らない人の悪口を言いふらす
③事実に尾ひれをつけて自分にとって有利な情報操作をする*2
④過度なマウントをとってくる*3
⑤言語的な話し合いが成立しない*4
⑥「こういうことをして悪かったな」という感情が乏しい
上の特徴でおおよそ共通している点は…
こちらから何も干渉していないのに、向こうから過干渉してくる
…ということです。
こういう①~⑥のような特徴を複数個もっている人は、おそらく何らかの障がい*5をもっている可能性があります。でも決して障がいをもっているから「危ない」わけではありません。私自身も、「集団のなかでうまくとけこめない」などの障がい(特徴)をもっていて、うつ病で心療内科に通っていたときは、うつ病とは別の診断を受けたこともあります。
ここで言いたいのは、自身の障がい(特徴)を理解して、「自分はこういう特徴を持っていて、人に不快感を与えてしまうことがあるかもしれないので気を付けよう」と認識することが大事だということです。障がいを持っていても、持っていなくても…どんな特徴をもっている人でも、社会生活を円滑に送るうえで、周囲の人に配慮するというのは必要なことだと考えます。
私が「危ない人」だと思うのは、自身の特徴を自覚しているしていないにかかわらず、他人に対して①~⑥のような害悪をふりまく人のことです。
もし、このような特徴をもつ人に絡まれてしまったら…。自分の働いている職場に、上司であれ同僚であれ、そのような人がいたら…どうしたらいいでしょう?
私は社会人になって仕事を続け20数年となり、思い返すと数度、程度の差はあれ「危ない人」に絡まれることがありました。私自身の未熟さがあって、なかなか対処方法がみつからず、我慢の日々を送り、嵐が去るのを待つしか方法をみつけられませんでした。実をいうと現在もそれほど状況は変わっていません。
状況は変わっていないとはいえ、今では、自分自身のメンタルがやられる前に、「自分から積極的に環境を変えていく」という選択がとれるようになってきています。
といっても「職場を変える」という対処法は、多大な労力・気力を要するので、できれば避けたいものです。このような「最終手段」へ至る前にできることはないのか? これまでの経験から考えてきた、自分なりの対処法を以下簡単に記してゆきます。
対処法
職場内での信用を確立してゆく。そのためには誠実に仕事をする
もし加害者が自分に対する「根も葉もない悪口」を言っても、「あの人がそんなことをするわけがない」という信用をふだんから確立してゆく。
自分を信用してくれる人を大事にする
「根も葉もない悪口」を信じてしまう人たちではなく、自分を信用してくれる人を大事にすることに意識を集中します。ちきりん氏のVoicy(ボイシー)、2020年12月7日配信の『反論より証拠より「信頼」』がとても参考になります。
限られた人生の時間はくだらないことに反論するために使うより、信頼を築くために使ったほうがよほど価値が高いでごじゃる
不満を仕事場では口にしない
「職場内での信用を確立してゆく」にもつながります。
人の悪口をいわない
加害者とは関係のない職場の人の悪口をいわないというのはもちろん、加害者に対する悪口もいわないことを心掛けます。一時の感情に流されると信用を失うためです。
待遇に関する不満をいわない
「不満」という形ではなく、現状報告と、「このままでは自分はこの環境では仕事をやっていけない」という意思を、信用できる上司に報告するようにします。これは不満という形で口に出すと、「職場の悪口」と捉えられ、上司はもちろん同僚の信用を失いかねないためです。例えば、「環境の改善を上司に相談しても何もやってくれない」などの不満が頭のなかに浮かんでも、口に出さないようにします。ネガティブなことは、職場とはいっさい関係のない場所で吐き出すようにします。
加害者を「変えよう」「傷つけよう」としない
加害者と同じ穴の狢(ムジナ)になってしまうためです。
加害者と距離をおく
まずは環境の改善を上司に依頼してみます。例えば、仕事場を加害者とは離れた場所に変えてもらえないか?など。対応してもらえなかったら、自分で自分の身を守る必要があります。自分でその人との物理的・心理的距離をとるようにします。
しかし、相手の気持ちを汲み取ることが苦手な人は、厄介なことに、距離をおいてもガツガツ絡んでくることがあります。にっちもさっちもいかなくなったら、すばやく転職するのが良いです。
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こういったことは、「モラハラ」とか、「パワハラ」と呼ばれるようになって広く認知されてきています。しかし、「危ない人」は自分自身が「モラハラ」「パワハラ」をやっているという意識は持ちにくいと感じます。行動を観察すると、本人は正義感で”やってあげている”と感じるためです。
「モラハラ」と判断できることは、「記録」していくことが対処法のひとつとして考えられます。しかし実際、「モラハラ」を自分自身が体験してみると、通常の業務を行ないながら、ストレスに常時さらされているなかで、やられたことの「記録」を逐一取っていくというのは、かなりのバイタリティーが必要で、私にはできませんでした。
必ずしも、周囲のひとが自分に共感し、協力してくれるとは限りませんので、記録をとってもそれが無駄に終わることもあります。残念なことに、厄介ごとに巻き込まれるのはやっぱり避けたいと思うかたが多いため、「モラハラの記録」をとっていくというのは、現実的対処としてはかなり難しいと感じました。
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どんな職場環境に行っても、「危ない人」は一定の割合でいるように感じます。「スルーする」「気にしない」という方法は、「気にしい」の私にはなかなかできないため、上に挙げた対処法を、ひとつひとつ地道に行なってゆきたいと思います。
良いお年をお迎えください。