日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

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思いつきを「解決策」に変える情報リンク術

参照:『思考の整理学』外山滋比古,ちくま文庫

 

頭の中に浮かんだアイデアは、すぐに消えてしまいます。それを防ぐために、思いついたことを、あたまの外部に記録し、仕事や生活で使える情報へと組み立てていくためには?

最初のメモはスピードを優先する

アイデアを思いついた瞬間は、正しい文章になっているか、順序が合っているかなどを気にする必要はないと考えます。最も優先すべきは、頭から消える前に記録することです。

 

キーボードで文字を打とうとすると、「どうやって書こうか」と無意識に考えてしまい、思考のスピードが落ちてしまいます。これを避けるため、電子メモパッドに手書きしたり、スマートフォンの音声入力を使って声のまま記録したりする。整理されていない、単なる思いつきの言葉のままでもいいと考えます*1

頭を休ませるために記録を外に出す

頭の中でずっと考え事をしていると、脳のエネルギーを消費します。たとえば、職場の人間関係の不和や、本来自分がやらなくてもいい仕事のことまで気になってしまうと、精神的な負担が大きくなります。

 

頭の中にある考えをすべて外のシステム(メモ)に移すことで、脳を一旦休ませることができます。頭の中だけで処理し続けるのをやめると、トラブルが起きたときでも状況を客観的に見直す余裕が生まれます*2

時間をおいて「ノート」にまとめる

急いで書き留めたメモは、そのままでは後で使えません。少し時間を置いてから見直すことで、記録したときの感情や、実は不要だった情報を取り除くことができます。

 

ここで、NotebookLMやGeminiのようなデジタルツールを使います。音声や手書きのメモの中から「事実」や「論理的な要素」だけを抜き出し、テキストの文章に変換します。この作業を通して、ただの個人的な感想が、後から検索して再利用できる「ノート」に変わります。後の工程で扱いやすくするため、内容はできるだけ短く、ひとつの事柄ごとに分けます*3

情報を結びつけて新しいアイデアを生む

整理したノートは、単独で保存するのではなく、他のノートとリンク(関連付け)させることで本当の価値を発揮します。これは情報をカードのように細かく分けてつなぎ合わせる、Zettelkastenツェッテルカステンという手法に基づいています。

 

似たような情報ばかりをつなげても、当たり前の結論しか出ません。一見すると関係のない「趣味の風景写真で気づいたこと」と「仕事の記録」などをあえて結びつけることで、これまでの枠組みにはなかった新しい解決策が見つかることがあります*4

実際の現場での使い方

この仕組みは、現実の業務を改善するための実践的な方法です。

 

仕事現場で、気づいたことや、職員や顧客の日々の様子を、その場で音声や短いメモに残します。後でそれをデジタルツールに取り込み、過去の記録や、一見無関係な他のメモとつなぎ合わせます。すると、過去の事例と現在の状況が結びつき、今まで思いつかなかったような新しい計画のヒントが見つかることがあります。

 

直感的に手書きや声でメモを出し切り、その後でデジタルツールを使って事実を整理し、情報を結びつける。この手順を繰り返すことで、日常の雑音ノイズに振り回されず、物事の本質を捉えて具体的な改善案を作ることができると考えます。

 

*1:P136‐138

*2:P97-98,P110-115:著者はメモの役割を「備忘録」としてではなく、「安心して忘れるための装置」として説明している。「書き留めてある、と思うと、それだけで、安心する。それでひととき頭から外せる」、「記録する必要があるのは、寝かせるのではなくて、とりあえず忘れる必要があるからだ」と記されている。外部(メモ)に考えを移すことで頭の中の処理をストップさせ、脳を休ませる。

 

人間の頭を物をため込む「倉庫」ではなく、新しいものを作り出す「工場」に、著者は例えている。「工場にやたらなものが入っていては作業能率が悪い」とし、「工場として能率をよくしようと思えば、どんどん忘れてやらなくてはいけない」と説いている。また、「頭を忙しくしてはいけない。がらくたのいっぱいの倉庫は困る」とも書かれている。本来やらなくてもいい心配事などを抱え込んで頭をフル稼働させてしまうと、いざという時に処理ができなくなると考えられる。

 

著者は、「頭をよく働かせるには、この”忘れる”ことが、きわめて大切である」と記している。不要なものを頭の「外」へ排出(忘却)して新陳代謝をよくすることで、トラブルが起きた際などにも、客観的で高能率な判断を下すための「思考の余裕」が生まれると考えられる。「外部システムに移して脳を休ませ、客観的な余裕を生む」という方法を、日常のストレスや仕事の負担から導き出した。

*3:P22‐23,100‐101,74‐75,106‐107:メモに書いたアイデアは「しばらく寝かせておくのである。ある程度時間がたったところで、これを見返す」とされており、寝かせている間に熱が冷めたり、実は役に立たないと気づいたもの(息絶えてしまったもの)は「惜気もなくすてる」ことで、不要な情報を取り除く。身の回りの具体的な事実や即物的な思考(第一次情報)から、「より高度の抽象化へ昇華して行く」ことで「メタ情報」ができあがる。この抽象化により、思考はより整理され、後から別の知識と結びつけやすい普遍的なものになる。AIを使って「事実」や「論理」だけを抽出する作業は、この「メタ化(抽象化)」にあたると考えられる

*4:P53:一般的に言えば、ありきたりのもの同士を結び合わせても、新しいものになりにくい。一見、とうていいっしょにできないような異質な考えを結合させると、奇想天外な考えになることがある。

 

P58:発想が扱うものは、周知、陳腐なものであってさしつかえない。そういうありふれた素材と素材とが思いもかけない結合、化合をおこして、新しい思考を生み出す