日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、九州北部を中心にNikon D750をメイン機として史跡を撮っています。詳しい撮影場所は各記事に座標値として載せていますので、座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで撮影場所が表示されます。参考にされてください。

意匠を凝らした製鉄所専用線トンネル 福岡県北九州市八幡東区枝光

福岡県北九州市の八幡東区から戸畑区にかけて、八幡製鉄所がつくった製鉄所専用の鉄道があります。国土地理院地図では「日本製鉄専用線」と記されていますが、通称「くろがね線」と呼ばれています。

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くろがね線のおおよそのルート

「くろがね線」の一区画に宮田山トンネルがつくられています。この宮田山トンネルの「トンネルポータル」といういわれる部分が、凝ったデザインであるという情報得て、行って見てみることにしました。

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宮田山トンネルの出入口を青丸で示す

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八幡東区枝光の街なかをはしる「くろがね線」

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くろがね線の高架

くろがね線は、1927年(昭和2年)起工され、1930年(昭和5年)に完成しました。開業当初は銑鉄(せんてつ*1)や鉱滓(こうさい*2)、炭滓(たんさい*3)を運んでいました。しかし炭滓を輸送することがほとんどなくなり、1972年からは「くろがね線」と呼ばれるようになりました。くろがね線の工事は八幡製鉄所の社員が行ないました。


宮田山トンネル

枝光(えだみつ)駅から東へ約280mの地点に宮田山トンネルの八幡側出入口があります。

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場所:福岡県北九州市八幡東区枝光3丁目

座標値:33.8789145,130.81627

 

宮田山トンネルの戸畑側出入口は西大谷という地区にあります。

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場所:福岡県北九州市戸畑区西大谷1丁目

座標値:33.8820052,130.8282664

 

国土地理院地図で計測してみると、宮田山トンネルは全長約1170mあります。トンネルがある地区は、トンネルがつくられた当時は草木が生い茂る山だったようですが、現在では住宅街が広がる丘という感じになっています。

 

地点(33.8798945,130.8203145)あたりのピークで標高約98m程度です。

 


宮田山トンネルポータルのデザイン

宮田山トンネルの設計は、河内貯水池をはじめとする、貯水池関連施設の設計を行なった沼田尚徳(ひさのり)氏参照です。そのため、宮田山トンネルのポータルも凝ったデザインとなっています。

 

八幡側トンネルポータル

八幡側出入口はギリシャやローマ(イタリア)の古典を模したルネッサンス風の建物なのだそうです*4

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フェンス越しにみる八幡側のトンネルポータル

八幡側のトンネルポータルは、トンネルのアーチ部分にも、アーチの上部分にも、大きな切石が重ねられつくられているようです。この石は花崗岩(かこうがん)製のもので、家の屋根のような三角形がデザインされています参照

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トンネルを背にして枝光駅方向(西側)をみる

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写真右下にトンネルポータルがある 丘の斜面にトンネルが掘られているのがわかる

 

戸畑側トンネルポータル

戸畑側のトンネルポータルは花こう岩の石積みです。ローマの古い城壁を模したデザインといいます。上方に4本の高い突起物、さらにその両脇にも低い突起物があり独特です参照

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壁部分には波うつような模様がかたちづくられている

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尼堤橋の上からトンネルをみることができる

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トンネルを引きぎみで見ると、なだらかな丘に掘られていることがわかる

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トンネルを背にして線路をみる 住宅街をつっきっている







 

*1:鉄鋼の原料

*2:金属精錬時にでる副産物

*3:石炭の燃え殻のこと

*4:ルネサンス建築(ルネサンスけんちく)は、一義的にイタリアのフィレンツェで1420年代に始まり、17世紀初頭まで続いた建築様式を指す参照