大分県宇佐市には戦時中、大日本帝国海軍航空隊の部隊のひとつである宇佐海軍航空隊(うさかいぐんこうくうたい)の基地がつくられていました参照。その海軍の訓練用施設の跡が、宇佐市長洲に残っています。宇佐海軍浅橋です。駅館(やっかん)川という宇佐市を流れる川と、周防灘との境目あたりに、浅橋は設置されています。
場所:大分県宇佐市長洲
座標値:33.570736,131.370467
艦船にのせられている大型の手漕ぎボートのことを「カッターボート*1」と呼ぶそうですが、カッターボートに乗り降りするためにコンクリート製の浅橋が使われていました。
長さ:8.7m
幅:4.9m
高さ:6m以上
水中部分は御影石となっていて、御影石の上にコンクリート製の柱をつないでいます。柱の上にさらに橋上部のコンクリート板が乗っています。橋上部の横からは、コンクリート製の階段が水面にまで降りています。
現在は風化がすすみ立ち入り禁止となっていますが、戦後すぐのときは、地元の漁師のかたがたによって使用されていたといいます(参照:『九州の戦争遺跡(江浜明徳著)』P.167-168)
ここを訪れたのは2021年12月31日です。おそらく正月にむけての行事のために、おおくの漁船には大漁旗がはためいていました。