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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

「導きの神」の碑 福岡県北九州市八幡西区下畑町

北九州市八幡西区にある畑貯水池(はたちょすいち)の南西部に、導きの神さまの碑がまつられています。

場所:福岡県北九州市八幡西区下畑町

座標値:33.802051,130.756886

▼案内板

塩土老翁祭祝

 

この碑は、元は下畑にあって 天明八年十二月吉日に建立されたものである。塩土老翁は神武天皇が日向国にいた時の一族中の長老で、神武天皇に東に行くように進言した。 こういう訳で道案内の神とされて、村の出入口や道に建てられた。

 

塩土老翁(シオツチオジ)は、日本の神話に登場する、とても重要な神様です。古事記や日本書紀といった古い書物に、その名前が登場します。塩土老翁は、「潮の満ち引きを司る神様」とか「航海の安全を守る神様」と考えられていました。海に関係する神様です。

 

塩土老翁は、道案内のおじいさんのように、困っている人に道を教えてくれる神様として描かれています。例えば、有名な「海幸山幸」のお話では、山幸彦(ヤマサチヒコ)という神様が、兄の海幸彦(ウミサチヒコ)から借りた釣り針をなくしてしまい、悲しみに暮れていました。そこに現れたのが塩土老翁です。老翁は山幸彦に、海神の宮殿への行き方を教えてあげたのです。

 

また、日本書紀には、神武天皇(ジンムテンノウ)が東征(日本を統一するため、東へ進軍すること)を決意する場面で、塩土老翁が登場します。老翁は神武天皇に、「東には良い土地がありますよ」と教えて、東征を促したとされています。

 

塩土老翁は、宮城県塩竈市にある鹽竈神社(シオガマジンジャ)という神社の、最も重要な神様として祀られています。鹽竈神社は、全国にある鹽竈神社の総本社であり、とても格式の高い神社です。鹽竈神社の言い伝えによると、武甕槌神(タケミカヅチノカミ)と経津主神(フツヌシノカミ)という二柱の神様が、東北地方を平定するためにやってきた時、塩土老翁が道案内をしたそうです。その後、武甕槌神と経津主神は鹽竈神社を去りますが、塩土老翁はそこに残り、人々に漁業や塩の作り方を教えたと言われています。

 

塩土老翁は、このようにいろいろな神話に登場し、人々を導く存在として描かれています。そのため、塩土老翁は「導きの神」や「交通安全の神」として信仰されています。また、潮を司る神様なので、「大漁満足」や「海上安全」、「安産」の神様としても信仰されています。さらに、竹細工の職人さんからは、自分たちの祖先を守る神様として信仰されているそうです。

 

塩土老翁は、古くから人々に愛され、大切にされてきた神様です。

 

参照:https://discoverjapan-web.com/article/42139

参照:https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/shiotsuchinokami/

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%84%E3%83%81%E3%82%AA%E3%82%B8