福岡県北九州市八幡西区の山寺町という地区に、神武天皇の神話にまつわる場所があります。神武天皇が筑前の地におられたときに天皇みずから神様を招いたとされる場所で、「古代祭場」として今も保管されています。
「古代祭場」は一宮神社の境内一画にあります。
場所:福岡県北九州市八幡西区山寺町
座標値:33.860685,130.756758
案内板の「古代祭場」についての説明によると、神武天皇が東征の旅にでた際に、この地に一時的に滞在され、神様を招いたということです。神様を招くことを御親祭(ごしんさい)というそうで、神武天皇はこのときに国の安泰を祈ったとされています参照。
--------------
神武天皇が「世界の中心(中州;ちゅうしょう)」をめざし、建国する旅にでるという神話があります。これを”東征”とよんでいるようで、東征のルートが以下のようになります参照。
宮崎県→大分県(宇佐)→福岡県(遠賀川)→広島県(埃宮;えのみや)→岡山県
--------------
「古代祭場」は一宮神社社務所の東側約85m地点にあります。
「古代祭場」は「王子神社」という名前が記された二の鳥居脇にあります。「古代祭場」の前には「神蹟山 王子本宮」と記された石柱もたっています。一宮神社、王子神社…とふたつの名前がでてきてなんだかややこしいです。
調べてみると一宮神社は3つの神社を合祀したものだそうです。その3つの神社というのが、王子神社、諏訪神社、大歳神社です。
もともと王子神社があった場所に諏訪神社、大歳神社が合祀され「一宮神社」と称されるようになったようです参照。
-------------------------
「古代祭場」は木製の柵で囲われていて、そのなかに両手で包み込むくらいの大きさの岩が、たくさん積まれています。岩がつまれた小さな丘は2つつくられています。
神事がおこなわれる際には、上の写真の、手前の丘には神様を招き入れるための神官がすわり、御幣(ごへい)が祀られている奥の丘には神様が降臨するようです。
近くに工場地帯がある町のなかに、このような古くから残る史跡があるとは気づきませんでした。