福岡県北九州市若松区の乙丸(おとまる)という地区にある戸脇(とわき)神社で、2019年10月8日(火)に筑前御殿(ちくぜんごてん)神楽が舞われました。
場所:福岡県北九州市若松区大字乙丸 「戸脇神社」
座標値:33.908777,130.694710
戸脇神社の筑前御殿神楽の構成は以下の通りです(参照:配布されたパンフレット)。
筑前御殿神楽は、室町時代(1300年代から1500年代)から旧遠賀郡と鞍手郡の神職家に伝えられている神楽といわれています。『北九州市史(民俗)』P.1167では、文献のうえでは1859年(安政六年)に福岡藩主に献演したものが最も古い、と紹介されています。筑前御殿神楽が、いつごろから伝えられているのかは、はっきりとした年代は不明です。
筑前御殿神楽の特徴は、舞人が神職であることで、”舞い振りが極めて抽象的かつ優雅で”あり、北九州内の他地域で舞われる神楽とは趣が異なるという点です。
今回は、「里神楽」のなかの一番目…「榊(さかき)の舞」をご紹介します。
榊(さかき)とは、神棚や祭壇に供えられる緑色の葉の植物のことで、上の写真だと、神主様が左手に持っている植物のことです。もう少し榊がはっきりと見える写真が↓こちらです。
神楽では、この榊は特に大麻(おおぬさ)と呼ばれます。これから始まる舞いを前に、私たちや、私たちの心、その他すべてのものを祓い清める目的で、榊の舞が舞われます。まさに始まりの舞です。
戸脇神社の里神楽がはじまったのが、19時10分頃。榊の舞は、おおよそ7分ほどで終了しました。この時点では、神楽を見学するかたたちは数名でした。社殿のなかは、シャンシャンという鈴の音と、横笛の音のみ。舞自体も激しい動きのものではありませんので、静かな境内では厳かな雰囲気が感じられました。
次回は「里神楽-弓の舞」をご紹介します。