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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

福智山 山頂に祀られる”ごんげん様” 北九州市小倉南区道原

場所:福岡県北九州市小倉南区大字道原

(推定)座標値:33.742256,130.803877

 

福岡県の北九州市、直方市、田川郡にまたがる標高900.6mの福智山。900mと決して高くはない山なのですが、これら3つの郡市では最高峰となります。福智山の山頂ふきんをWeb版国土地理院地図で確認してみます。

 

 

上の地形図では、座標値は(33.742035,130.804156)を示しています。標高は895.4mを示します。地形図では、この地点に小さな建造物が示されています。かなり確認しにくいのですが、赤矢印の先に小さな四角が表示されているのが確認できますでしょうか?おそらく、これは祠と思われます。その祠の実際の写真がこちらです。 

この祠とは別に、山頂からすこしはずれた場所に石の祠があります。その写真がこちらです↓

この石祠のなかには不動明王と思われる石像が祀られています。

 

(推定)座標値:33.742256,130.803877

この石像が何をあらわしているのか、撮った当時はわからなかったのですが、「北九州市史 民俗編」P546を読むと、この石像のことを説明していると思われる文章に出会えます。

 

”小倉南区道原の人々は、豊前と筑前の境にある福智山の山頂には、福智権現様がおられ、水分(みくまり)神と崇め、タカガミサマといって今も尊敬している。また当地区は、特に豊前坊様信仰が盛んで、石祠も四か所あり、この神様をもタカガミサマといって、石祠の付近は聖地として、汚してはならないと伝えられている”

 

水分神(みくまりのかみ)という名前は初めて聞きます。すこし調べてみると、その名前のとおり、水を分ける分水点に祀られる神様のことで、水の分配をつかさどる神さまといわれているそうです。

 

ではカタガミサマとは何なのでしょう?こちらもネットで調べてみると、「鷹神様」とか「高神様」という字がよく見られます。「コトバンク」では以下のような説明が紹介されています。

 

”霊威の強い神。対象は一定せず、各地の大社、人神でなく天上の神、現世利益の神、藪神、よくたたる神、天狗などがある”

 

タカガミサマというのは、山頂におられる人智を越えた存在の神様…という感じでしょうか。この神様が水分神であり、石像に示される不動明王(権現様)でもあるのでしょう。

 

北九州市史には、4基の祠があるということなので、福智山山頂に、また行けたときにはその祠を確認してみたいものです。