九州国立博物館で、平成29年9月13日(水)〜11月5日(日)の期間、「六郷満山(ろくごうまんざん)展」が開催されています。全国からみても珍しい、大分県の国東・宇佐地区の山岳仏教に関する文化が展示されているのです。
2017年9月16日土曜日に、この展覧会に行ってきました。
以前、ぼくは豊後高田市に住んでいて、国東半島や宇佐の神社仏閣には、おおよそ足を運んだものだと思っていましたが、まだまだ知らない神社仏閣があるものだと改めて感じました。そして展示されている文化財は、これまであまりみたことのないものばかりで、ほんとに展示会へ行ってよかったです。
行ってよかった点をまとめるとこんな感じ↓
①まだ知らない、見たことがない文化財が展示されていて
②それを近い距離で、前後左右から拝観することができた
近い距離で拝観すると、木造仏だと、こんなに穴があいてボロボロになるんだなという気づきも得られました。そんなボロボロの部分も、京都で拝観したような仏像とは、また違った地域色と感じます。そしてまた、仏様がたの表情の素朴さが魅力的です。
今回の画像は、館内が撮影禁止だったので、九州国立博物館発行の「六郷満山開山1300年記念 大分県国東宇佐 六郷満山展 ~神と仏と鬼の郷~」から引用させてもらっています。
富貴寺(ふきじ)大堂で拝観していた阿弥陀如来坐像とは別に、本堂のほうに、この↓三尊が祀られていたとは知りませんでした。
これら三尊は、以前、富貴寺大堂の本尊として祀られていたのだそうです。昭和のはじめころ、三尊は大堂から本堂へ移され、代わりに阿弥陀如来坐像ひとつが、大堂の本尊として祀られるようになったんだそう。(↓こちらが富貴寺大堂。紅葉時期がもっとも美しい)
近くで見てみると、こんなに繊細に彫られていたのか!という驚きがありました。特に、両側に侍している観音菩薩・勢至(せいじ)菩薩立像の繊細さといったら。腕からさがる衣が、細くなめらかで、今にも折れそうな感じです。でも、壊れたところはまったくないそうなんですよ。
また、奈多(なだ)八幡宮で保存されているという、こちらの三神坐像(さんしんざぞう)は、以前に実際奈多八幡へ行って拝観しようとしましたが、神社のひとに頼んで拝観させていただかないといけなく、なんだか敷居が高く感じ、頼むことができませんでした。それ以来、ずっと拝観できずじまい。でも今回、やっと拝観することができました。
国東半島では、たくさんの石造りの文化財が↓こんな感じで野ざらしで残っていて、それがまた周りの静かな自然とともに、いい雰囲気を醸し出しています。
博物館で見る国東半島の文化財は、また違った印象を受けました。綺麗に展示されていると、なんだか素朴な印象から、高尚な印象に変わるものですね。こんな不思議な感じも、楽しかったです。