
福岡県宗像市吉留にある「妙見の滝」は、鮮やかな赤褐色を呈しています。この赤い色はなにが要因なのでしょう?
これは、岩石から溶け出した鉄分が酸化し、岩肌に沈着した「水酸化鉄(鉄さび)」であると考えられます。地質図naviで、このふきんの地質を調べてみると以下のように提示されています。
堆積岩
形成時代: 新生代 古第三紀 始新世 ルテシアン期〜プリアボニアン期
岩石: 非海成層 砂岩,砂岩泥岩互層ないし砂岩・泥岩

この地域の砂岩や泥岩は「非海成層」、つまり陸上で堆積した層です。これらには、堆積当時から含まれる鉄鉱物(黄鉄鉱や磁鉄鉱など)が含まれていることが多いのが特徴です*1。地下水が、これらの鉄鉱物を含んだ岩層を通過するとき、化学的風化によって岩石中の鉄分がイオンとして水に溶け出します。
鉄分を含んだ地下水が滝の岩肌で大気に触れると、以下のような反応がおきると考えられます。
①酸化反応
水に溶けていた二価鉄イオン(Fe2+)が酸素と反応し、三価鉄(Fe3+)へと変化します。
②不溶化
酸化した鉄は水に溶けにくい水酸化鉄となり、固体として岩肌に沈着します。これが、「妙見の滝」が赤褐色に見える要因となっています。
③バイオフィルムの関与
濡れている岩場には「鉄細菌」と呼ばれる微生物が繁殖しやすく、この「鉄細菌」が鉄の酸化を促進することで、より厚く鮮やかな赤色の層を形成します*2。
もういちど、妙見の滝ふきんの、地質を参照してみます。
堆積岩
形成時代: 新生代 古第三紀 始新世 ルテシアン期〜プリアボニアン期
岩石: 非海成層 砂岩,砂岩泥岩互層ないし砂岩・泥岩
砂岩・泥岩互層は、水の通り道である透過性の高い砂岩層と、水の遮断層である泥岩層が重なっている構造になっています。これにより、特定の層から集中的に鉄分を含んだ水が染み出しやすく、特定の箇所…今回でいえば妙見の滝の部分…が濃く染まる現象が起きると考えられます。
