日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

皿倉山の国見岩(くにみいわ)で玄武岩質安山岩をみる 福岡県北九州市八幡東区大字尾倉

福岡県北九州市の八幡東区にある皿倉山(さらくらやま)。標高622mと比較的低く、山麓には料金の安い市営駐車場があり、登山道やトイレも整えられているので、時間があいたときに気軽に登れる山です。

 

地質図naviを参照すると、皿倉山(さらくらやま)ぜんたいは、砂岩や泥岩でつくられていますが、山頂ふきんは安山岩(あんざんがん)や玄武岩質安山岩(げんぶがんしつあんざんがん)で構成されています。下図を参照すると、むかし火山でできた黒っぽい岩石であることがわかります。山頂では施設の整備がすすんでいるので、自然な岩石露出をみることが困難です。皿倉山で安山岩がみられる場所が「国見岩」と名づけられている場所です。安山岩・玄武岩質安山岩(げんぶがんしつあんざんがん)がもろに露出している場所です。

 

 

場所:福岡県北九州市八幡東区大字尾倉

座標値:33.848067,130.799414

上の写真が国見岩です。灰色というよりも、黒っぽく、一部赤色をしているようにみえます。鉄分が酸化しているものかもしれません。皿倉山よりも数㎞南側にある福智山(ふくちやま)や、平尾台(ひらおだい)は、むかし海の底にたまっていたものが地上にあらわれてきたものでできています。付加体(ふかたい)と呼ばれるものです。

 

でも皿倉山は、どうもこの付加体ではできていないようです。地質図naviでも皿倉山地質の凡例を参照すると「付加体」とは書かれていません。周辺の地質凡例をみると「島弧(とうこ)・大陸」と書かれている場所がみられます。中国やロシアのあるユーラシアプレートにのっかっている岩石が、皿倉山を構成している岩石なのかもしれません。皿倉山の南側に田代(たしろ)という地区があります。ここには地下からマグマがでてきて、もともとあった岩石に割り込んでできた「貫入岩(かんにゅうがん)」という岩がみられます。田代以南は太平洋側からおしつけられてきた付加体(ふかたい)が海底から隆起して山々をつくりあげたのではないかと予想されます。

福岡県の北部域を地質図naviでみると、北東から南西へかけて、付加体で構成されている縞(しま)ができています。その縞(しま)の中央部を主に遠賀川(おんががわ)が走っています。川により縞が分断されているので、これまで気づきにくかったですが、北東から南西へかけての縞は、南側からおしつけられてくる付加体がつくりあげてきた縞ではないかと想像されます。南からおしつけてくる力は、おそらくフィリピン海プレートだと考えられます。

九州の南部域の地質も地質図naviでみると、上図の付加体の縞模様に似た模様ができています。九州の中央部に阿蘇山というおおきな火山がありますが、この周辺は縞模様が崩れてしまっています。それをとりのぞくと、大分県・宮崎県・熊本県にかけて北東から南西へかけて綺麗な縞ができています。こんなしくみがあるとは、おもしろいです。


福岡県の福智山あたりは、このフィリピン海プレートからおしつけられてくる付加体のいちばん端にあたる場所なのかもしれません。そうすると、付加体のなかでももっとも古い地質にあたる場所だとも考えられます。

国見岩の岩肌にはハーケンやロープがそのまま残っているので、ロッククライミングで頻繁に利用されているようです。

 

下の写真は国見岩から北九州市街をみたところです。