大分県、国東半島(くにさきはんとう)に金毘羅鼻(こんぴらはな)と名付けられた場所があります。半島の北北東にあり、周防灘(すおうなだ)に面しています。海につきでた岩肌に金毘羅社がまつられており、この景色がとても印象深い場所です。
場所:大分県国東市国見町大熊毛
座標値:33.670173,131.661195
金比羅社のすぐ北側には姫島がうかんでいるのがみえます。
地形図でみると、位置関係がよくわかります。
お宮は岸壁を掘ってつくられているようです。岸壁にはたくさんの礫(れき)がうまっています。風雨にさらされて、ボロボロと岩がおちてきそうです。
礫(れき)が埋まっている土の箇所は灰色で火山灰のようにみえます。火山灰のなかに溶岩でできた岩がゴロゴロと埋まっているという感じです。国東半島をまわっていると、岩肌が露出している場所では、よくこのような景色をみることができます。このような岩は「凝灰角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)」と呼ばれる岩のようです。
参照:地形地質情報ポータルサイト,国東半島の両子火山群
URL:https://www.web-gis.jp/GM1000/LandMap/LandMap_19_014.html
地質図naviで、国東半島がどのような岩石でできているかを確認してみます。国東半島の中央部に位置する両子(ふたご)山から放射線状に、オレンジ色に色付けされた岩がながれるように配置されていることがわかります。このオレンジ色に色付けされた岩は、どうも安山岩というもののようです。
安山岩は、マグマが急激に冷やされてできた岩で、比較的、二酸化ケイ素の含有量がすくない岩石です。
安山岩は、二酸化ケイ素のふくまれる量が比較的すくないので、やや黒っぽくみえます。
金毘羅鼻の海岸にころがっている岩石を観察してみると、黒っぽい岩石がおおいようにみえます。これらは安山岩なのだと考えられます。
ただ層によっては白っぽいものもあり、白っぽい部分は粒の大きさが細かく、砂でできているようにも見えます。この箇所は砂岩なのかもしれません。
下の写真だと、下から順に「安山岩でできた礫を含む層」「砂岩でできた層」「安山岩でできた礫を含む層」となっています。
金毘羅鼻には漁港があり、港のそばには広い駐車場があります。駐車場から岩山を回り込むかたちで海岸へと行きます。
漁港。
金網のすきまを通って海岸へと出る。
金比羅社へと続く道。強風が吹いてくる。
おそらく海水によって侵食された岩を使ってつくられた石灯籠。
お堂内部。