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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

壱岐の土台石 長崎県壱岐市勝本町仲触

壱岐の島の北端部、圧倒されるような岸壁が海にせまっています。

場所:長崎県壱岐市勝本町仲触

座標値:33.857683,129.707288

 

壱岐の島は、その全体が玄武岩で覆われています。玄武岩はマグマが地表ちかくで固まってできた岩です。玄武岩で島が覆われているということは、火山活動によって噴出されたマグマにより島が覆われたという過去があることを示しています。

 

マグマに覆われる前の壱岐の島はどんな岩でつくられていたのでしょう? 泥や砂がたまってできた堆積岩(たいせきがん)という岩でできていました。というか、いまも壱岐の島の根っこ部分は、この堆積岩で構成されています。

 

この根っこの部分の堆積岩が、一部島内で見られる場所があります。それがここ「壱岐の土台石」と名づけられた場所です。

昔、海底で泥と砂が交互に堆積し、それが長い年月をかけて圧縮されました。圧縮された泥と砂は岩となりました。いつもは泥が堆積しがちな場所に、ときどき濁流により砂が運ばれてくることで、泥と砂が交互に堆積しました。そして泥岩砂岩互層という特殊な地層となりました。

 

参照:絵で見る地球科学 砂岩泥岩互層 (タービダイト)

壱岐の土台石がある場所は、天ケ原海岸と呼ばれます。天ヶ原海岸の泥岩は、堆積面に沿って薄く層状に割れやすい性質をもっています。割れて地面におちている岩をみてみると、薄く、まるでガラスのようにパリパリした質感です。

このようにペラペラの岩となって剥がれ落ちるさまが、本のページ(頁)のようなので、頁岩(けつがん)と呼ばれています。

 

案内板にも、「この島のいたるところに露出している板を重ねたような岩は頁岩と砂岩が重なっていて…」とあります。泥岩ではなく頁岩と表現されています。

 

この地層は、いまから約2500万年前につくられました。つくられた当時は、この地層は海の底にあったので、海の生物の化石がこの地層からも発見されるそうです。

 

参照:壱岐市立一支国博物館 観光名所詳細情報

 

このような岩石が土台となり、壱岐の島が構成されているのですね。