福岡県と佐賀県にまたがる脊振山(せふりさん)。この山一帯は古くから霊山として崇められ、山岳密教の修験場として使われていました。
その脊振山に霊山寺という大きなお寺がありました。霊山寺とかいて「りょうせんじ」と読みます。
場所:佐賀県神埼郡吉野ヶ里町松隈九瀬谷
平安時代から中世にかけて、山岳密教の中心であった霊仙寺。709年に開山したと伝えられています。
いまでは、江戸時代に建てられた乙護法堂(おとごほうどう)のみが残るのみ。
そんな霊仙寺の境内跡に水上坊「霊水石」があります。
大日如来を表す梵字(ぼんじ)である「バン」が刻まれた石。これが霊水石です。
以前は6月30日の夜に地元の若者たちが乙護法堂で酒宴をし、一夜を過ごしました。翌7月1日に、この霊水を汲み、水田にまいたといいます。そうすると水田に虫がつかないといわれていました。