座標値:33.788979,130.6646846
福岡県鞍手郡には「剣神社」が二か所あります。
今回は新延という地区にある剣神社に足を運んでみました。この神社に庚申塔を探しにきたのは、何かの情報があってのことではなく、「おそらく庚申塔があるのではないか?」という推測からです。
福岡県ではこのような古い神社には庚申塔がある傾向を感じられます。案の定、ありました。あったのは境内の南東端です。
↑上の写真は庚申塔を裏側から見たところです。裏側には記銘はなし。
↓表側にもしかしたら記銘があったかもしれませんが、確認はできませんでした。
庚申塔であるとわかったのは、↓向って右側側面にかろうじて「庚申」という文字が確認できたからです。
この庚申塔はいつ造られたか?
「△■□辰」という字が見えますが、「△■□」の部分が判別しにくいです。「□辰」となる干支を調べてみると、戊辰(つちのえたつ)・庚辰(かのえたつ)・壬辰(みずのえたつ)・甲辰(きのえたつ)・丙辰(ひのえたつ)の5種類がありました参照。
字体から推測すると庚辰かな?庚申の「庚」の字と、「□辰」の「□」の字体が似ていることからも「□」は「庚」の可能性が高そうです。そうすると「△■庚辰」となります。
では「△■」の部分は?なんとなく「△」部分は「卯」と読み取れそうです。「■」は難儀ですが、これは「月」とも読み取れそうです。よって「卯月」か?
まとめてみると「庚申 卯月 庚辰」と刻まれていると推測されます。
卯月は旧暦の4月。現在でいう4月下旬から6月上旬ということになり、ちょうど今ぐらいの時期…春から初夏にかけての時期に、この庚申塔が造られたことがわかります。
では何年に造られたか?干支の組み合わせは60年周期で周ってくるので、「庚辰」だけでは年を特定することができません。周囲にある庚申塔の造られた年代から推測して、可能性としては1700年(元禄13年)、1760年(宝暦10年)、1820年(文政3年)、1880年(明治13年)のあたりが適当なのでしょうか?
いづれにしても、これ以上詳細に建立年を特定できる手掛かりはありませんでした。