場所:福岡県宮若市犬鳴
座標値:33.6965866,130.5590057
犬鳴ダムをグルッと一周する道路。その脇には複数の庚申塔が祀られます。それら庚申塔のひとつです。
明らかに新しく建立し直された庚申塔のようです。正面には「○命庚申尊天」と刻まれています。○の部分は見慣れない文字で、パソコンの変換機能では出てこない文字です。
以前、福岡県宮若市脇田では「婦命庚申塔」と刻まれる庚申塔を見かけましたが、「○命」という文字には、わたしの知らない意味が込められているのかもしれません。追って調べてみたいと思います。
塔に向かって右側面に「宝暦元年丙子天」と刻まれています。しかし、宝暦元年(1751年)の干支は辛未(かのとひつじ)です。
宝暦で干支が丙子(ひのえね)であるのは、宝暦六年(1756年)です。推測ですが、もしかしたら、石工がこの新しい庚申塔を作るとき、「六年」を「元年」と読み間違えたのかもしれません。
庚申塔に向かって左側面には「正月吉祥日」と刻まれます。
まとめると、宝暦六年(1756年)の正月に、元となる庚申塔は作られたと考えられます。