庚申塔を探している際、わたしにとって、とても捜索難易度の高いのが、個人宅の敷地内に庚申塔がまつられていることです。おおよそ、庚申塔は史料をもとに独力でさがせるものを中心に探索しています。しかし今回みつけた庚申塔は、個人敷地内にまつられていました。
このとき妻といっしょに(妻を道連れに)庚申塔をさがしていたのですが、あるお宅の玄関先に庚申塔がまつられているのをみつけました。しかも、そのお宅からちょうど家のかたがでてきたのです。奇跡のようです。
しかし、内気なわたしは、お宅のかたに「庚申塔の写真をとらせていただけませんか?」と声をかける勇気がなかったので、この庚申塔の写真はあきらめかけていました。ありがたいことに、妻が「じゃあ自分が声をかけてくる」といって、お宅のかたのもとへいきました。なんと快く写真撮影の了承をしていただき、写真をとらせていただきました。
場所:福岡県遠賀郡遠賀町虫生津南
座標値:33.821547,130.666063
「猿田彦大神」と刻まれ、その右となりに「文久二年」と刻まれています。
猿田彦大神の左となりには「?四月吉日」そのしたに「?半?」と刻まれているようです。文久二年は西暦1862年。この年の干支は壬戌(みずのえいぬ)です。「?四月吉日」の?部分には、もしかしたら「戌」の文字がきざまれていたのかもしれません。
福岡県にうつって、知らない土地をまわっているとき、なんどか初対面のかたから嫌な思いをしたことがあったため、初めての土地であまり積極的に人にはなしかけることができません。
しかし、今回は幸いなことに、庚申塔をまつっているお宅のかたが、とても良い方だったのでありがたかったです。