植物の写真をとって、その植物についてしらべてみると、生活環によって「一年草」「二年草」「越年草」「多年草」という言葉がでてきます。名前からなんとなく想像はできるけど、詳しくしらべると、なんだかややこしそうだったので、いままで見て見ぬふりをしていました。
でも図にかいてみると、ややこしそうに思えたその全容もわかってきます。
「一年草」「二年草」「越年草(えつねんそう)」「多年草」の関係を、自分なりにザッと図にすると以下のようになります。
「越年草(えつねんそう)」という言葉が一年草と二年草の別名としてあげられています。これはどういうことなのでしょう?「越年草」というのは、”秋に発芽し、冬を越して春になって開花・結実・枯死するもの”で、”冬を越す”というのが越年草に分類されるための条件のようです参照:Wikipedia-一年生植物。
1年未満で枯れる草が1年草
↓下図は1年草の生活環を模式図であらわしたものです。種が土にまかれて発芽、開花、枯死するまでの期間が1年未満です。
1年草が冬を越すと冬型1年草
そして、この1年草の生活環に「越冬」がはいってくると、「冬型1年草」というふうに分類されます↓。「越冬」するので「越年草」ともいわれます。
上の図では発芽から枯死までの期間が1年未満なので冬型1年草です。1年未満の命なので、あくまでも1年草と呼ばれます。どうじに冬型1年草は冬を越すので越年草とも呼ばれます。
2年草は1年草よりちょっと長く生きる
いっぽうで、発芽から枯死までの期間が1年以上だと2年草と分類されます↓
またちょっとつけたすと、2年草も冬を越すので、もちろん越年草と呼ばれます。
多年草は環境のよい場所でいきる
多年草は、何年にもわたり生き残っていけるものです。冬の寒さが厳しい場所や、乾季があり水不足が厳しい場所に育つ草の場合、生存に厳しい季節をのりこえられません。そのため1年草や2年草に分類される草が生えます。
いっぽうで年中、高温多湿の例えば熱帯林のような場所だと、ずっと草は成育しつづけることができます。このような場合は多年草とよばれる草が繁茂します参照。こちら↓は畑と小川の境にはえていたツルニチニチソウです。
生活環はいきている場所によって変わる
以上ご紹介してきた生活環による分類は、ややあいまいなもので…
熱帯では多年生であるが、温帯では一年生になる植物も存在する。
…というように、植物のいきる環境によって、同じ植物でも1年草になったり、多年草になったりするそうです参照:Wikipedia-多年生植物。だから、『○○という植物は「多年草」である!』というふうにガッチリと認識してしまうと、たくさんの例外植物があるので、混乱してしまいそうですね。
まとめ
『1年草・2年草・多年草』という分類と『越年草』という分類は、まったく別の視点で分類されたものだということに気づきました。混乱しないためには…
『1年草・2年草・多年草』は『生活環の長さ』で分類
『越年草』は『越冬するかしないか』で分類
…というふうに考えたほうがよさそうです。