タンポポに代表される”ロゼット型”植物という言葉を、学生時代の生物の時間に聞いたことがあります。
草むしりをしているとき、このロゼット型の草をぬくのはとても大変です。むしっても、草だけがとりのぞかれて、しぶとい根っこがのこってしまいがちだからです。
「ロゼット」とは”「ローズ」=「バラ」模様”からきた言葉です。バラの花弁がついている様子と、「ロゼット型」の葉がついている植物の様子が似ているために「ロゼット型」とグループ分けされたようです(参照:新・雑草博士入門P46)。
道ばたをながめてみると、このロゼット型の葉のつきかたをしている植物をよく目にします。どういう種類の植物に、このロゼット型が多いのでしょう?パッとおもいつくのは「タンポポ」ですが、そのほかにはどんな植物があるのでしょう?
「界・門・綱・目・科・属・種」の階級をいったん俯瞰してみるとわかりやすくなるのではないかと考えてみました。まずはロゼット型の植物を「科(か)」で分類して紹介されているのをザッとならべてみました。参照させていただいたサイトはロゼット図鑑です。カッコ( )内の数字は、それぞれの科のなかの種の数です。
・アカバナ科(3)
・アブラナ科(8)
・アヤメ科(2)
・イグサ科(1)
・イネ科(3)
・オオバコ科(4)
・オミナエシ科(1)
・キク科(37)
・ケシ科(2)
・ゴマノハグサ科(3)
・サクラソウ科(1)
・シソ科(5)
・スイカズラ科(1)
・スベリヒユ科(1)
・スミレ科(2)
・セリ科(3)
・タデ科(3)
・ナデシコ科(3)
・バラ科(5)
・フウロソウ科(1)
・マメ科(4)
・ムラサキ科(2)
・ユキノシタ科(2)
・ユリ科(3)
これを見ると「キク科」の37種類というのが圧倒的に多いことがわかります。これらは「科」という分類でまとめられていて、いまいち、どのグループの植物にロゼッタ型が集中しているのかわかりません。
そこで、もうひとつ上位分類の「目(もく)」でまとめてみました↓。「目(もく)」でまとめてみても、やっぱり圧倒的に「キク目」が37種類の植物を有していて多いですね。でもその次に多いのは「シソ目」12種類ということがわかります。そして、その次がアブラナ目の8種類です。
この傾向をながめていると、キク科以外は、どのグループにロゼット型の植物が多いという感じではなく、成育環境に応じて葉のかたちをロゼット型に変化させている、という印象をもちます。
その一方で、キク目キク科は、ロゼット型の葉をもつという戦略に特化したグループなのではないかと考えられます。Wikipedia-キク目を参照すると、キク目のなかでも、他の科をさしおいて、特にキク科が圧倒的におおくの種類を有しています。それだけ、同じキク目のなかでも、キク科の植物は進化のすすんだ植物なんだと想像できます。