今年(2015年)9月に噴火してからも火山活動が続いている熊本県 阿蘇山。阿蘇山ができた九万年前には、いまとは比較にならないような大規模な爆発がおきたそうです。そのときにできたカルデラがこちら。
山に囲まれたどこにでもあるような盆地のようにみえますが、田園の広がるこの平地が、すべて火口なのだそうです。
この大噴火がおきたとき、九州の北側は火砕流で埋め尽くされ、さらに山口県にまでその火砕流は達したといわれています。さらに火山灰は北海道や小笠原諸島を含む日本列島をおおいつくしたそうです。
いまでも北海道東部にその灰が残っているのだそうです。あまりにも壮大な現象で、想像がおいつかないほどです。
↓仙酔峡
ぼくは土偶が好きなのですが、土偶の出土地図を眺めていると、九州から出土している土偶が極端に少ないのが気になっていました。東北でたくさんの土偶が出土しているのに、どうして九州は少ないの?
↓阿蘇のカルデラ。カルデラのなかに町がある。
縄文文化が栄えはじめたのが、今から約1万1000年前から。ちょっと時期ははずれますが、約2万年前には南九州でも、桜島をはじめ大きなカルデラをつくるような火山活動がおこっていたそうです。その影響で、九州はなかなか人が住めるような環境ではありませんでした。だから縄文文化も西日本で発達しなかったと推察されています。『新しい高校地学の教科書』(講談社BLUE BACKS) コラム「灰に埋もれた日本列島」より
↓晴れた日は外輪山がよく見えます。
こんな のどかな景色も、真っ黒い溶岩に覆われていた時代があったんですね。
火山時代のなごりが、山のあちらこちらに残っているそうで、その痕跡をみつけていくのも周遊するときの楽しみになりますね。
「地形」とか「地層」とか…生活に直接役立つ知識ではないけど、古代の景色を想像するのはワクワクしますね。想像力を高めてくれる阿蘇や九重などの景色は、元気を与えてくれる景色ですね。
↓こちらは大観峰(だいかんぼう)近くからみた眺め
↓草千里
↓阿蘇五岳。観音様が仰向けになって寝ているようにみえることで有名。