日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

阿蘇山と大野川の力で生み出された名瀑 沈堕の滝(ちんだのたき)

高さ:20m

幅:110m

 

大分県では、原尻の滝(はらじりのたき)に並ぶ名瀑。豊後大野市にある沈堕の滝。この滝のいろんなサイトや雑誌の紹介文では必ずといっていいほど雪舟の名がでる。

室町時代に雪舟がこの地を訪れ、「鎮田瀑図」を描いているという。原画は関東大震災で焼失。狩野常信により模写されたものが案内看板にも掲載されています。

 

 

取水のための堰(せき)が滝の上側にあって、取水された水は、下流にある沈堕発電所まで運ばれます。見かけ上、前面が滝になっていて、よく見ると背後にダムがある。実際には沈堕発電所。発電所の外壁だけが現存しています。

 

沈堕発電所は、大分~別府間を走る電車の動力源として豊後電気鉄道株式会社が建設。1909年(明治42年)に竣工。その後、大正12年に3km下流に新しい沈堕発電所が建設され、明治の発電所の建物は沈堕ダムの近くに外壁だけの姿を残している。(沈堕ダム - ダム便覧

 

 

滝周囲には溶血凝灰岩が露わになっています。火山の噴出物が溶けてまた固まった凝灰岩は、国東半島でも、豊後高田市の田染地区で多くみられ、加工しやすいその性質を利用して、石造品が作り出されている。沈堕の滝の場合、阿蘇山から流れ出した溶岩が、川の流れにより浸食され滝が作り出された。

 

大野川流域は、上流から中流に広く分布する 阿蘇熔結凝灰岩の地域を流れる河川が作り出す、瀑布や渓谷があり、また多くの湧水群が存在し、これらの湧水と清冽(せいれつ)な渓流の流れのいくつかは、国・県により名水の指定を受けている。河川整備基本方針・河川整備計画

 阿蘇山周囲はたしかに、美しく見ごたえのある自然地形が処々にみられます。