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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

北部九州にある帯状の地質

北部九州の先第三系は、主に白亜紀花崗岩類から構成され、変成岩類を伴う。これらの変成岩類の原岩構成は東部と西部で類似する(唐木田ほか, 1992)。

 

参照:PDF.新たに見い出された北部九州,脊振山地西部のグラニュライト相変成岩類.地質学雑誌 第 111 巻 第1号50-53 ページ,2005年1月 

 

先第三系とは、第三紀以前(約6500万年以前)の中生代や古生代などに形成された地層や岩石のことです 。

 

 

北部九州の岩石は、おもに中生代の白亜紀につくられたものが多いそうです。地質図naviを確認してみると、北部九州をでは赤やピンク色の暖色系で色づけられた箇所が帯状にひろがっています。この箇所は、花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)とか、花崗岩(かこうがん)で構成されています。これらの成立年代を地質図naviで確認すると、前期白亜紀につくられたことがわかります。

 

また、北部九州の岩石には、変成作用をうけた岩類も含まれるとのこと。「原岩構成は東部と西部で類似する」ということは、変成作用を受ける前の岩類は、九州北部の東西で、もともと同じものであった可能性があると考えます。

 

北部九州東部の変成岩類は,高圧低温型の変成作用をこうむった結晶片岩からなる
(唐木田, 1965).

 

参照:PDF.新たに見い出された北部九州,脊振山地西部のグラニュライト相変成岩類.地質学雑誌 第 111 巻 第1号50-53 ページ,2005年1月 

 

結晶片岩は、単に「片岩(へんがん)」ともいい、変成岩の一種。プレートの衝突によって、面と平行方向に強い圧力がくわわって(剪断応力;せんだんおうりょく)、再結晶した岩石が含まれているということ。面と平行方向に力が加わるために、雲母のような板状の鉱物や、角閃石(かくせんせき)のような柱状の鉱物が、一定方向に沿って配列している。このような板状や柱状の鉱物が一定方向に沿って配列することを片理(へんり)と呼ぶ。

 

参照:結晶片岩 - Wikipedia

参照:せん断応力 - Wikipedia

参照:片理(へんり)とは?- goo国語辞書

 

おそらく▼下図の灰色部分にあたる泥質片岩では、片理をもつような鉱物がみつかるのではないかと考えます。

福岡県田川郡添田町野田にある貴船神社(Google map)は、泥質片岩の地質がある地域に鎮座します。また、福岡県田川郡香春町採銅所にある味見峠桜公園(Google map)も、泥質片岩の地質がある地域に位置します。このような場所では、片理をもつ岩石が観察できると予想されます▼