流紋岩(りゅうもんがん)はどんな岩石で、どんな場所でみることができるのか?
流紋岩と呼ばれるから、流れるような模様を岩に見ることができる。マグマが流動しているときに、急に冷えてかたまった岩石。岩石にふくまれている結晶が流れるようなかたちでかたまったので「流紋岩」と呼ばれる。
下の図を参照すると、流紋岩は火成岩の一種であることがわかる。火成岩のなかでも、地表ちかくで急に冷えて固まった「火山岩」の一種であることもわかる。火山岩のなかでも、二酸化ケイ素を含む割合が多く、白っぽい色のものが流紋岩。
上の図のいちばん右側に、岩の表面を拡大した図を示す。急にマグマが冷えたので、岩石に含まれる結晶…斑晶(はんしょう)と呼ばれる…がじゅうぶんに成長しない。そのため、結晶がある部分と、結晶がない部分とがめだつ。このような組織形態を斑状組織(はんじょうそしき)と呼ぶ。上の図でいえば火山岩がこの組織形状をとる。
いっぽう、マグマが地下深くでゆっくり時間をかけて固まると、斑晶(はんしょう)が成長して大きくなる。よってマグマが急に冷えてかたまった岩石よりも、斑晶が密になっている。この組織のことを等粒状組織と呼ぶ。上の図でいえば深成岩がこの組織形態をとる。
流紋岩をはじめとする「火山岩」は一般的に、”マグマが地表ちかくで急に冷やされてできた岩石”とされる。しかし実際には、以下のような経過を経てつくられた岩石らしい。
火山礫(かざんれき)や高温の火山灰が、火砕流として流れ堆積する。堆積した礫や灰が、それ自身の熱によって溶かされたあと凝結(ぎょうけつ)する。そうしてできたのが溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)。
このようにしてできた溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)のひとつに流紋岩(りゅうもんがん)がある。
だから流紋岩は、むかし噴火があった場所の周辺をさがせば見つかる可能性が高いと考える。地質図naviを参照すると、九州においては以下のような場所で流紋岩がみられることがわかった。
九州で流紋岩が見られる地域
福岡県
北九州市小倉南区辻三のごく一部で、「大三ヶ岳城」という山の南東部。
大分県
姫島内にある、達磨山、矢筈山、焼野岳、観音崎など、むかしマグマが噴出したと考えられる場所。
由布岳(ゆふだけ)・鶴見岳(つるみだけ)の南部地域である城島高原(きじまこうげん)周辺。
日田(ひた)市街地、玖珠(くす)町、中津市の深耶馬(しんやば)地域。
長崎県
雲仙普賢岳周囲部。
対馬のごく一部で、紅葉山など。
熊本県
阿蘇山(あそさん)外輪山の外側の地域。
宮崎県
日向(ひゅうが)市にある西林山、尾鈴山、上面木山ふきん。
韓国岳(からくにだけ)の北東部にあたる地域で小林盆地あたり。
鹿児島県
鹿児島湾周辺大部分。
参照:PDF.中九州の火山地帯