最近、「筑豊の近代化遺産」という本をみつけて、この本を元にして、史跡めぐりをしています。
ふだん通り慣れているこの場所に、こんな歴史があったんだな…なんて情報が掲載されているために、読んでいて楽しい本です。今回、「筑豊の近代化遺産」を見て周ってみた場所は、福岡県嘉麻市にある”稲築町制40周年記念公園”という場所です。この公園に、馬頭観音が祀られているという情報を見つけました。
馬頭観音は、これまでネット上や、書籍でみたことはあるけど、実際にお目にかかったことがありませんでした。牛馬を供養するために祀られる観音様ということですが、ここ嘉麻市の馬頭観音は、炭坑が盛んな時代、石炭を運んでいた馬を供養するためのもののようです。
炭坑の外だけでなくて、炭坑の中でも馬が使われていました。坑内では落盤事故もあり、このような事故で死ぬ馬は多かったようです。
以上のような予備知識をもって、”稲築町制40周年記念公園”へ向かいました。公園には、じゅうぶんな車台数を停められる駐車場があり安心です。公園は標高53mほどの小山になっています。目的の馬頭観音は、公園の東側の斜面中腹あたりに祀られています。
場所:福岡県嘉麻市平
地図:Google マップ
公園の東側をはしっている道を、公園沿いに歩いていると、↓下写真のように、公園側へ上っていくゆるやかな坂道がみつかります。
草ぼうぼうで、こちらでいいのかなと、ちょっと不安になる道でした。
この道を100mほど進むと十三仏が、小屋のなかに祀られているのが見えてきました。
小屋の傍らにある巨木の根元に、馬頭観音が祀られていました。
非常に精巧につくられていて、指一本一本まで表現されています。
三面の顔に、右手にヨウキ(斧の一種)と石刀(せっとう;ノミを打つ金槌)、左手に火薬壷とノミを持ち、銘に「昭和壱拾参年十月吉日 金丸利作」とある。