『地球の中身』(廣瀬敬)P.88~92に、わたしたちの身の回りでは存在できない物質…超高圧下の最下部マントルでしか存在できない物質のことについて紹介されています。その物質は「ポストペロフスカイト」といいます。
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地球に、いちばん多く存在する鉱物「ブリッジマナイト」。ブリッジマナイトという鉱物は、独特の結晶構造をとっている。その結晶構造はペロフスカイト構造と呼ばれる。
ペロフスカイト構造は、原子をぎっしりとつめこむことができる、隙間の少ない理想的な構造である。そのため、超高圧である下部マントルでは一般的な構造である。
このブリッジマナイトがおおく存在する場所が、下部マントル。
さらにその下…最下部マントルでは、興味深い現象がおきる。ブリッジマナイトがさらに高圧にさらされ様態が変化する【相転移する】。
ブリッジマナイトが、さらに高圧の120万気圧以上の圧が加えられることで相転移し、ポストペロフスカイトとなる。ポストペロフスカイトは、この超高圧を抜くとすぐに結晶構造が壊れてしまう。超高圧下でしか存在できない物質である。
ポストペロフスカイトは、SiO₆のならぶ層とMgの並ぶ層が交互につみかさなっている。そのため電気や熱を通しやすいということはわかっている。しかし、高圧下でしか存在できなく、観測できていないため、その色などは不明である。
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人類は、いまだに地球のいちばん外側である「地殻(ちかく)」部分でさえ掘りぬくことができていないそうです。地球をゆで卵に例えると、地殻は卵の殻(から)部分です。いちばん薄い部分でさえ掘りぬくことはできていません。
これまで掘られた、いちばん深い穴はロシア北東部のコラ半島にある深さ12㎞の穴です。地殻の厚さがおよそ30㎞といわれています。
参照:Wikipedia‐地殻
マントルと呼ばれる地下部分には、どんな珍しい鉱物があるのか、さらに知識として得てゆきたいと思います。