『はじめての地質学』(日本地質学会 編著)P.32,33に「マグマが急に冷えてできた火山岩」という項があります。ここに「陥没カルデラ」というのが紹介されています。
「陥没カルデラ」というのは、噴火などがおこりマグマが減り、マグマだまりの屋根部分が陥没することでできるカルデラです。
『はじめての地質学』P.33では、”「陥没カルデラ」というのは二酸化ケイ素を多くふくんだ粘性の高いマグマが、爆発的に噴火するとできることがあるカルデラ”と紹介されています。
粘性の高いマグマが爆発的に噴火することでできたカルデラの代表例は以下の三つです。
①屈斜路(くっしゃろ)カルデラ
場所:北海道川上郡弟子屈町
②阿蘇(あそ)カルデラ
場所:熊本県阿蘇郡
③姶良(あいら)カルデラ
場所:鹿児島県鹿児島市
どのカルデラも、直径が20㎞前後あります。とても巨大です。屈斜路カルデラのなかは湖、阿蘇カルデラのなかは街、姶良カルデラのなかは海となっています。
マグマが地表に噴出して急に冷えて固まった岩は火山岩といいます。火山岩は二酸化ケイ素が含まれる量によって岩の色がちがってきます。二酸化ケイ素が含まれる量がおおいほど白っぽくなります。
前述した、3つのカルデラ周囲の地質を「地質図navi」で確認すると、デイサイトや流紋岩で構成されていることがわかります。
地質図naviで各カルデラ周囲をみてみると、おもしろいほどわかりやすく、「ここからマグマが噴出した」ということが視覚的に確認できます。
カルデラの周辺、広範囲がデイサイト・流紋岩で構成されています。いっぽうで、カルデラの中心部…現在も火山活動がつづいている地域では玄武岩や安山岩がみられます。とくに阿蘇カルデラ、姶良カルデラではその特徴が顕著です。
地質図naviで、これら玄武岩・安山岩ができた年代を確認すると、比較的あたらしい時代に噴出してできたものだということがわかります。
約30,000年前に巨大カルデラをつくった大爆発がおきたあと、小規模な噴火がおき、これら玄武岩・安山岩ができたと考えられます。
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まだ屈斜路カルデラにはいったことがないので行ってみたいです。
参照