場所:大分県杵築市大田永松
座標値:33.516087,131.560743
2022年5月22日に、大分県杵築市にある田原(たわら)若宮八幡社を訪問しました。その際、立派な国東塔(くにさきとう)を拝観しました。
一般的な国東塔のかたちは、下のような図のようになっています。
『国東半島の石造美術』(酒井冨蔵著)P.32、33に掲載されている田原若宮八幡社の国東塔の各部データは以下のとおりです。
総高:224.5㎝
台座:11㎝
塔身:52.1㎝
笠:30㎝
相輪:65.5㎝
田原若宮八幡社の国東塔は火焔(かえん)と、宝珠(ほうじゅ)、そして台座の一部である蓮華座(れんげざ)という箇所がありません。
火焔と宝珠は、塔のてっぺん部分、蓮華座は塔の中央で丸い部分にある「塔身(とうしん)」を支える部分です。『国東半島の石造美術』(酒井冨蔵著)P.32、33によると塔の上部分にある「相輪」上部は欠損している、とあります。相輪の一部分である火焔と宝珠は、もともと造られたときからなかったのではなく、後の世に欠落してしまったようです。
国東塔は「蓮華座」と「返花(かえりばな)」を2つ一組として「台座」としています。こちらの国東塔は「返花」だけがある状態です。これはもともとでしょう。
塔身部分は、やや四角味をおびています。そして、像容ははっきりとしませんが、塔身部分になにかが刻まれていたような痕跡があります。梵字でしょうか?仏姿でしょうか?
笠は軒口という箇所が外側にいくほど反り返っています。笠は比較的ちいさく、そのため塔を一歩ひいて国東塔の上部分をながめると、スラっと縦に細長く感じます。
いっぽう、基礎部分は階段式に、下へいくほど、どんどんどっしりと大きくなっています。
上はスラっとして、下はどっしりとしており、塔全体としては安定したバランスを感じます。
最後に案内板の記述を転記しておきます。
県指定有形文化財(昭和四十年三月九日指定)
田原若宮八幡社国東塔
所在地:大分県杵築市大田永松
所有者又は管理者:田原若宮八幡社
年代:鎌倉時代
宇佐神宮と深い由緒ある古社、田原若宮八幡社境内に造立されている。この塔は、火焔(かえん)、宝珠(ほうじゅ)を欠くほかは、全体に完備され、台座は一重複弁の返花(かえりばな)のみで基礎の第三重と一石となっている。総高は二・四四mで、全体のつり合いは笠の反り、塔身、格狭間(こうざま)から非常によく、記銘はないが鎌倉時代のものと思われる。材質は角閃安山岩(かくせんあんざんがん)である。
杵築市教育委員会