福岡県みやこ町にある「みやこ町歴史民俗博物館」へ足を運んだとき、周囲を散策しました。博物館のとなりにある小笠原神社の前を歩いていると、たまたま、「山の神」と刻まれた石塔をみつけることができました。
場所:福岡県京都郡みやこ町豊津
座標値:33.671277,130.971424
『郷土誌 みやこ 第五号(みやこ町郷土史研究会)』P.31に、山の神についての説明が記されています。それによると、稲の苗を育てはじめ田植えまでの期間、山から「山の神さま」がおりてきて「田の神さま」となるそうです。田の神さまは、田植えが終わるころ、再び山へと帰っていくといいます。
これに似た言い伝えを、民俗に関する他の史料を読んでいたときにも目にした覚えがあります。山の神さまと、田の神さまが、ひとつの神さまとして祀られるのは、みやこ町に限ったことではないようです。
小笠原神社の前にまつられている、こちらの山の神さまの石塔は、新しくつくられたもののようで、古いものは後ろに隠れていました。みたところ、ずいぶん昔からこの地に祀られていたのでしょう。