北九州市小倉南区に志井(しい)という地区があります。志井という地名は「四つの井戸がある」ということから付けられた名前ということで、その四つの井戸を探していました。2018年12月22日に、四つの井戸のうち一つの井戸を訪れました。
今回は、四つの井戸のうち二つ目の井戸を訪れました。「多賀神社」にあるといわれる井戸で、「御手洗(おちょうづ)の清水」と呼ばれる井戸です。
御手洗(おちょうづ)の清水
志井地区に古くから清水の湧き出る泉が4か所ある。志井の地名の起り。鎮守の神、多賀神社に湧く泉を御手洗と云い、この水で饌米し、お供えの米を焚く習わしがある。「北九州の史跡探訪」(北九州史跡同好会)P.85
北九州の史跡探訪には「御手洗(おちょうづ)の清水」と紹介されています。一方、現地の立札には「御手洗(みたらい)の井戸」と紹介されています。
「北九州の史跡探訪」P.85では、おおよその井戸の位置が示されていますが、詳細な場所まではわかりません。そのため探索は困難となりました。結果からご報告すると、「御手洗の井戸」の位置は以下の通りです。
場所:福岡県北九州市小倉南区志井
座標値:33.8141029,130.8738589
国土地理院地図上で示すと以下の場所です。
多賀神社拝殿から北へ約120m地点に「御手洗の清水」があります。
「御手洗の清水」までは、多賀神社境内から、以下の写真のようにたどっていくとわかりやすいです。
御手洗の井戸には、現在も澄んだ水が湧き出ているようです。この井戸の西側には、約72mの山があり、清水はこの山からしみだしてきているものと考えられます。
志井地区で獲れた米は、この水で炊かれ、多賀神社に奉納されていたということです。
この井戸は多賀神社がある南側から近づく道と、住宅街がある北側から近づく道とがあります。しかし北側からの道は、ほとんど人が使っていないためか、雑草が繁茂しています。
住宅街がある北側から井戸に近づく道のほうが、道は険しくなく、やぶ蚊も少ないです。しかし、ご覧のように雑草に覆われているので、ダニやクモを避けたい場合は、多賀神社境内から近づくほうがよさそうです。
志井地区の4つの井戸のうち2つを見つけることができました。残るは、あと2つです。