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福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、九州北部を中心にNikon D750をメイン機として史跡を撮っています。詳しい撮影場所は各記事に座標値として載せていますので、座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで撮影場所が表示されます。参考にされてください。

土地が狭くつくらざるをえなかった高架式の駅【黒崎駅】 福岡県北九州市八幡西区黒崎

北九州福岡県北九州市八幡西区の黒崎に、1891年(明治24年)、九州鉄道のひとつの駅として黒崎駅が開業しました参照。開業当時、黒崎駅周辺はまだ田んぼが広がるのどかな場所でした。そのため黒崎駅利用者は少なく、駅周辺もさびしかったそうです(参照:『九州の鉄道おもしろ史(弓削信夫著)』P.77)。

 

場所:福岡県北九州市八幡西区黒崎

座標値:33.866692,130.766358

Google map

 

そんな黒崎駅は、2021年現在、下の写真のような車通りの多い国道のすぐそばにつくられた大きな駅となっています。写真を確認していただくと、国道のすぐ上にデッキがつくられています。このデッキが「ペデストリアンデッキ」と呼ばれるもので、高架(こうか)の上に駅と駅前広場がつくられた建造物を意味します。

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黒崎駅のペデストリアンデッキ

 ちなみに、こちら↓が開業して間もない黒崎駅周囲の地形図です。2つ地形図がならんでいますが、左側が大正14年のもの、右側が現在のものです。左側の地図をみると、黒崎駅の北側南側西側は田んぼがひろがっています。東側には北東-南西に町ができていることがわかります。この線状にのびている町が長崎街道に沿ってできた黒崎宿のなごりです。

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もうすこし、上の古い地図の範囲をひろげてみてみると↓下の地図になります。

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黒崎駅の南東にある宿場町以外は、その土地のほどんどが田んぼや湿地であることがわかります。こんな寂しい場所が、2021年時点には下の地形図のように、住宅が密集するにぎやかな街となっています。

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いつごろからこのような、にぎやかさがでてきたのでしょう?それは昭和30年代、八幡製鉄のアパートがたくさんつくられはじめてからだといわれています(参照:『九州の鉄道おもしろ史(弓削信夫著)』P.78)。

 

昭和27年発行の地図をみてみると↓たしかに黒崎駅の南西約1㎞地点に、規則正しく並べられた建物がずらっと建てられていることがわかります。おそらくこれらがアパート群だと考えられます。

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 黒崎駅の東北東約2㎞に位置する八幡製鉄がおおきくなるにつれて、そこで働く労働者の数も増え、労働者が居住する住宅も黒崎駅周辺に増えました。結果として、黒崎駅の利用者数も増えました。

 

 駅の利用者数がふえると、造られた当時のままの駅舎では小さくなりすぎてしまいました。そこで黒崎駅をひろげようとしましたが、黒崎駅の前には国道3号線、西鉄電車もとおっていました。そのため黒崎駅をひろげることができませんでした。

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限られた土地でも駅をひろげるために考えられたのが、2階建ての駅をつくるという案です。駅を高架化して、駅前の広場をペデストリアンデッキにすることになり、1984年(昭和59年)10月16日に完成しました。できた当初のペデストリアンデッキの写真が【黒崎そごうメモリアル】というサイトで掲載されていました。現在のものとはまったくちがっていたのですね。九州内でペデストリアンデッキを採用した駅は、ここ黒崎駅がはじめてです。

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 2021年時点では、以前はしっていた西鉄電車(路面電車)は廃止され、デッキの下を通るのは国道3号線のみとなりました。上の写真だと、デッキ2F部分の奥にみえるのが黒崎駅の改札口です。

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黒崎駅正面入口

デッキの上から東方向をながめた写真です↓ 2020年8月17日に閉店してしまいましたが、黒崎井筒屋がはいっていた建物が向こう側にみえます。

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わたしがまだ学生だったころ、この黒崎駅前の広場は夏休みなどにひとりで歩いていると、昼間であっても高確率でカツアゲにあってしまう怖い場所でした。現在は、もうそのようなことはないようで、デッキもさらに広く清潔となっています。

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デッキから西側を眺める

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デッキにあがるための屋根付きのエレベーター