九州の街道について書かれた書籍を読んでいると、ときどきどこに庚申塔が祀られているかを記した箇所があります。今回は長崎街道 九州文化図録撰書 (1)のP21-P22を読んでいて、小倉北区に祀られている猿田彦大神の情報があったので、行ってみることにしました。
同書のP13に九州北部の街道が模式的に書かれたページがあります↓
この図では赤線が「長崎街道」、緑線が「秋月街道」、茶線が「中津街道」、黄線が「唐津街道」と紹介されています。
猿田彦大神の庚申塔が祀られているのが、長崎街道から秋月街道が分岐している部分。上の図だと小倉の三角△マークがある付近になります。
先に庚申塔がある場所を具体的に示します。
場所:福岡県北九州市小倉北区赤坂5丁目
座標値:33.891976,130.906433
庚申塔は長崎街道 九州文化図録撰書 (1)P21の地形図では、街道沿いに祀られていることになっています↑ 黒の太線で描かれているのが、長崎街道です。庚申塔は線路(JR鹿児島本線)のすぐ北側の住宅地にあることがわかります。
その住宅地の実際の写真がこちらです↓ この写真は東方面を向いて撮った写真です。この細い路地が昔の長崎街道だったと考えられます。庚申塔付近はこのような住宅密集地で、かつ路地も車が一台やっと通れるほどの幅です。だから車を停める場所を探すのに苦労します。
今回、車を停めたのは、庚申塔がある場所の西側。すこしだけ道の広くなっている箇所に一時的に、車を停めさせていただきました(場所:33.891880,130.904835)
この箇所から長崎街道沿いに東側へ2分ほど歩いて庚申塔にたどりつくことができました。
庚申塔には「猿田彦太神」と刻まれ、その右側に「文化二歳」、左側に「三月吉辰」と刻まれているように見えます。文化二年は1805年。
「三月吉日」だと通常刻まれている銘であるので理解ができるのですが「吉辰?」。文化二年の干支(かんし)は乙丑(きのとうし)なので辰(たつ)とは関係がなさそうです。この箇所がちょっと不可解な庚申塔でした。
今回見つけた庚申塔も福岡県の庚申塔 - Google マイマップに登録しています。