大分県豊後高田市の富貴寺(ふきじ)。紅葉の名所でもありますが、こういう石仏も見どころのひとつです。こちらは、奪衣婆(だつえば)石仏です。
富貴寺大堂を正面に見て、境内の左側に、十王石仏とともに祀られていました。奪衣婆とは、いったいどんな存在なのか、気になって調べてみました。
奪衣婆は三途の川のほとりにいるとされます。三途の川に来た亡者が、川の渡り賃を持っていないと、この奪衣婆が亡者の衣服をはぎ取るそうです。
衣類は、もうひとりの懸衣翁(けんえおう)という おじいさん鬼に渡され、衣領樹(えりょうじゅ)という大樹に懸けられます。
枝のしなり具合で、亡者の生前の罪 度合いが計られるのだそう。
その罪の度合いによって、どの地獄へいくのか決が決まるのでしょうか。
こういう石仏は、他の場所ではまだ見たことがありません。豊後高田市役所のホームページを見てみても...
市内における中世の奪衣婆石仏の作例は他にありません
...と、珍しいものだと思われます。
もうすぐ、富貴寺のイチョウのじゅうたんが見られる時期になります。↓こちらは2015年11月26日に撮った写真です。
富貴寺では、だいたい毎年11月下旬に紅葉の見頃を迎えるようです。今年もいいタイミングで足を運べたらなあと思います。