豊後高田市夷(えびす)の「梅ノ木」という集落にある磨崖仏。↓この小堂のなかに薄肉彫りの磨崖仏4体…そしてその左手側奥に線彫りの板碑が複数みられます。
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国東半島の北西部。夷耶馬(えびすやば)とよばれる奇岩秀峰の麓、その岩壁にこれらの磨崖仏は彫られています。夷耶馬は夷渓、夷谷、さらに隠山などと呼ばれ中津市にある耶馬渓(やばけい)にも劣らない景観が広がります。
磨崖仏は山中にあり、一般道からは1㎞ほどの山道を歩いていく必要があります。
↓以下のように案内看板が立てられ、整備された山道があります。でもめったに足を運ぶひとがいないためか山道は荒れています。
↓山道近くに段々畑はあるけれど、もう使われてはいないようです。
↓木製の階段を3-4分ほど上がってゆくと…見えてきました。
↓地形図をみると、ガキガキとした岩峰のふもとに彫られていることが分かります。
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木造の屋根に守られているのは中尊と比丘尼などの磨崖仏。
↓この中尊を中央として…
↓磨崖仏に向かって左手側に比丘像。
↓右手側に比丘尼が2体 彫られています。
いずれの像も中尊に向かい拝んでいるように見えます。
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上記の像の左側岸壁には線彫板碑(11基)、磨崖五輪塔(18基)が彫られています。
夷谷地区にある仏像の作られた時代から、これら磨崖仏も西暦1300年代の南北朝時代に作られたと推定されています。
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国東半島には観光地化されていない、このような史跡がまだ多数あり、図書館の郷土資料室でそのような場所を確認することができます。地の細かい情報を得るのには、その土地どちの郷土資料が有効です。