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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

漁場の境をしめした道標 福岡県北九州市八幡東区東田

北九州市立いのちのたび博物館の駐車場に展示されている道標です。駐車場の端のほうに展示されています。そのため、博物館にはなんどか足を運んでいたにもかかわらず、気づくことができませんでした。

場所:福岡県北九州市八幡東区東田

座標値:33.869475,130.807673

従是東岩屋浦抱(これよりひがしいわやうらかかえ )、従是西柏原浦抱(これよりにしかしわばらうらかかえ )と刻まれています。

「これより東側は岩屋、これより西側は柏原浦(かしわばらうら)」ということが示されています。


岩屋という地名の場所は、現在北九州市若松区大字乙丸(おとまる)という地区に当たるようです参照。「岩屋海水浴場」「岩屋海岸」「ひびき灘漁業協同組合 岩屋支所」など、現在でも岩屋という名を各所でみることができます。「岩屋」は小字にあたる地名なのでしょうか。

 

案内板には以下のように説明が紹介されています。

 

福岡藩領の筑前国遠賀郡の2つの漁村、岩屋浦 (若松区) と柏原浦 (遠賀郡芦屋町、 現在は “かしばら”) との境界を示したものである。夏井ヶ浜あたりに建っていたものという。 2 つの浦の漁場を定めたものと考えられる。

 

夏井ヶ浜とはどこなのでしょう。遠賀郡芦屋町にあります。一番北側で海に面している場所です。現在の遠賀郡山鹿と若松区乙丸との境目に、道標が建てられていたと考えます。およその座標値を示すと(33.917966,130.673611)あたりではないかと想像します。

日本全国市区町村の行政区域マップ」を加工して作成


道標を眺めてみます。見たところ、道標の表面はざらつきがあります。石を構成する粒子が比較的大きいようです。そしてもろそうに見え、実際、表面の数カ所がボロボロと崩れはじめています。

地質図naviで道標が建っていたと考えられる地域をみてみると、砂岩で構成されていることがわかります。道標が砂岩でできているのは間違いなさそうです。