福岡県 北東部の海岸には海流の関係なのか、砂がたまりやすい地形があつまっています。その一例を下の国土地理院地図に示してみます。下の図は国土地理院地図の「土地の成り立ち・土地利用‐海の作用による地形」機能を使用したものです。
福岡市東区の「海の中道(うみのなかみち)」あたりから、遠賀郡岡垣町の「三里松原」あたりまで、約40kmにわたって砂関連の地質をみることができます。
福津市の渡(わたり)という地区を訪れてみました。この地区の海岸では陸繋砂州(りくけいさす)と呼ばれる、島と本土とを結ぶ砂浜をみることができます。また砂岩・泥岩でつくられた岸壁もみることができます。
下の写真は砂岩・泥岩でできた渡地区の海岸の風景です。
場所:福岡県福津市渡
座標値:33.809426,130.459149
それぞれの岩を観察すると細かい粒で構成されていることがわかります。
岩の表面をこするとザラザラした触感で、細かい砂がこぼれおちます。
上の写真を撮った場所は、地質図naviで確認するとこのあたりになります。
上の図だと、「砂岩・泥岩でつくられた地区」「花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)」でつくられた小山がもともとあった地形で、のちの時代に砂が海流により流れてきて、「砂丘堆積物」がつくられていったと考えられます。
福津市 渡(わたり)で堆積している砂岩・泥岩は新生代の古第三紀につくられたものです。地質図naviを参照すると「海の中道(うみのなかみち)」の「大岳・小岳」と同時代につくられたことになります。
花崗閃緑岩の小山は中生代…つまり砂岩泥岩の地質部よりもさらに古い時代…につくられたものです。
もともと玄界灘に浮かぶ島々のまわりに砂が堆積していって、現在では陸続きになっていったと考えられます。
現在、砂州となっている地区を写真で撮ってみました↓ 北側…つまり遠賀郡(おんがぐん)方面を向いて撮ったものです。はるかかなたまで砂浜がつづいていることがわかります。とてもきれいな景色です。この砂浜は約5kmもつづいています。
砂岩・泥岩でつくられた地形と、砂丘堆積物でつくられた地形とではこんなにも対照的な景色となっています。