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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

大正時代につくられた?船の上陸場 福岡県北九州市若松区浜町

福岡県北九州市若松区の浜町(はままち)の海岸に、石造りの古い護岸と階段状の上陸場が残っています。この護岸についての史料がみあたらず、いつ頃つくられたものなのかなど、詳しい情報はわかりません。

 

場所:福岡県北九州市若松区浜町

座標値:33.904550,130.814634

この護岸から、西南西約460m地点に「弁財天上陸場」という史跡が残されています。弁財天上陸場は、船が発着する場所です。どんな船かというと、船から陸へと荷物を上げ下ろしする港湾労働者(沖仲仕:おきなかし、または「ごんぞう」と呼ばれた)を運ぶ船で、この伝馬船と呼ばれる船が、弁財天上陸場において発着していたといわれています。

 

参照:『北九州歴史散歩 筑前編(北九州市の文化財を守る会 編)』P.14

参照:『若松史 令和3年改訂(若松に玄関をつくる会)』P.30

 

弁財天上陸場は2022年現在では、復元され新しくなっています。いっぽうで、こちらの上陸場の護岸は、みたところ古いまま残されているようです。弁財天上陸場は、大正6年(1917年)頃につくられたとされます*1。石造りであるこちらの上陸場も、使用されている石ブロックの古さから、弁財天上陸場と同時代の、大正初期につくられたものではないかと想像します。もしそうだとすれば、約100年経過したものということになります。

護岸の片面部分は、だいぶ石組みが崩れてしまっています。

対岸から上陸場を眺めます。上陸場の後ろには「若松築港株式会社」、「若戸大橋」がそびえています。

 

*1:若松史P.30