福岡県の地方を歩いてみると、ときどき、「〇〇四国霊場八十八カ所」の札所をみかけることができます。「〇〇」の部分は「島郷(しまごう)」だったり、「篠栗(ささぐり)」だったり「直方(のおがた)」だったり…と各地方の名前が入ります。
このような八十八カ所の霊場巡りは全国各地にあり(参照)、複数県にまたがって札所がつくられている大規模なものから、特定の限られた地区のみに札所がつくられたような小規模のものまであるようです。
今回ご紹介する薬師如来像は、宗像(むなかた)四国東部霊場のひとつに祀られていました。「宗像四国東部霊場」は図書館でたまたま見つけた書籍で、はじめて、その存在を知りました。その書籍は『宗像四国東部霊場 八十八カ所めぐり旅』(赤間西郷土・歴史愛好会)という名前で、宗像(むなかた)大社ちかくの宗像市民図書館でみつけたものです。
『宗像四国東部霊場 八十八カ所めぐり旅』のP101に、50番札所として薬師如来像のことが紹介されていました。
場所:福岡県宗像市田久6丁目7
座標値:33.802945,130.579530
丸く丁寧に削られた3つの石に、それぞれ仏様が浮き彫りされています。三尊像なので、中央の仏様が薬師如来像で、向かって右側が日光菩薩像、向かって左側が月光菩薩像と考えられます。
この薬師如来像が祀られているお堂は、小高い丘につくられています。丘を登るために階段が設置されていますが、その階段の途中に複数体の石仏が、野ざらしで横一列に並べられています。
石仏群の風化は激しく、各所の路傍に祀られていたものを、ここに集めたのかもしれません。
ここ、50番札所を訪れた日と同じ日に、48番札所(福岡県宗像市多禮;宗像大社の近く)にも訪れてみました。2か所を巡った限りでは、どちらの札所も綺麗に整備されており、今の時代になっても大事にされている霊場であると感じました。