福岡県北九州市の小倉南区に、合馬(おうま)という地区があります。全国的に有名であるのは「合馬(おうま)のたけのこ」ではないでしょうか。「合馬たけのこ」は”関西市場でも最も単価の高い極上品として取引されている”そうです(参照:北九州HP)。
また北九州地区で名が知れている伝統芸能といえば「合馬神楽(おうまかぐら)」ではないでしょうか。毎年9月の上旬に、合馬の天疫神社で、合馬神楽は開催されるそうです(参照:北九州HP)。わたしは、まだこの合馬神楽を観にいくことはできていませんが、その起源は中世(室町時代から鎌倉時代ごろ)と云われています。
このように古い文化と自然の豊かな合馬地区ですが、この地区にある合馬小学校ちかくに猿田彦大神の庚申塔が祀られている情報を得ることができました。
その情報源は『北九州市史(民俗)』のP545です。第一章 信仰-第二節 聖地・忌地-(一)聖地と項目を進んでいくと、そのなかに猿田彦大神の碑という項があります。
この猿田彦大神の碑という項には、合馬地区には4基の猿田彦大神の碑があると紹介されています。以下抜粋してみます。
”猿田彦大神の碑は、合馬小学校付近、麻生の瀬戸口橋のそば、麻生舟郷、麻生どんだ(富田)の四か所にあり、不浄を忌んでいる。このうち祭りを行っているものは、麻生どんだのものだけであるが、そのほかのものは、付近の人たちによって時折清掃されている”
こちらが合馬小学校近くの猿田彦大神の碑です。大きな石塔が手前にありますが、猿田彦大神の庚申塔は、その大きな石塔の奥…すこし赤くなっている小さな石塔です。
場所:福岡県北九州市小倉南区合馬
座標値:33.812598,130.830834
庚申塔には「申田彦太神」と刻まれ、その右隣に「寛政六寅三月三日?」と刻まれているようです。寛政六年は西暦1794年、干支(かんし)は甲寅(きのえとら)です。「寛政六寅三月三日?」の寅は、甲寅の寅からきていると予想されます。