今回も福岡県をとおる唐津街道沿いの猿田彦大神のご紹介です。長崎街道の木屋瀬宿(こやのせしゅく)から唐津街道が分かれますが、この唐津街道が赤間宿(あかましゅく)へ向かう途中にある猿田彦(さるたひこ)大神です。猿田彦ですが、刻まれる文字は「猨田彦」となっています。「猨」という文字でも「サル」と読むんですね。
地図:Google マップ
↓黄色で示された道路が県道29号線ですが、鞍手町の新延(にのぶ)という地区に、県道29号線に沿ってはしる小さな道があります。黒の線で示された道ですね。こういう小さな道は市町村道というんでしょうか。↓下の図では赤丸の部分に猿田彦大神の石塔があります。石塔は小さな道沿いにあります。この小さな道が、昔の唐津街道だったんだそうです。
猿田彦の石塔に向かって右側には、はっきりと「天明二年」の銘が刻まれます。西暦1782年です。
石塔に向かって左側には、見慣れない文字が…「壬寅七月廿五日」と刻まれます。調べてみると「壬寅」は「みずのえとら」と読み干支(かんし)の39番目だそうで、7月25日の意味ということです。「七月廿五日」も「壬寅」と同じ意味で7月25日を意味するんだそうです。「廿」はこれ一文字で20を表す漢字です。ちなみに「卅」は30、「卌」は40なんだそうです。
↓台座には「奉寄進」と刻まれ「ほうきしん」と読むんでしょうか。「慎んで寄贈致します」という意味あいらしい。
今回の猿田彦大神の石塔は、笠付型でした。それにしても、今回の石塔の銘はすべてがはっきりくっきりと残っていました。石の材質が硬く浸食されにくいものだからでしょうか。