日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

理髪店が併設する珍しい駅 中泉駅(なかいずみえき) 福岡県直方市大字中泉

中泉駅(なかいずみえき)は、福岡県直方市大字中泉にある平成筑豊鉄道・伊田線の無人駅です。開業したのは1898年(明治31年)2月で、その当時は「九州鉄道」の駅でした。2022年9月23日現在、行橋方面・直方(のおがた)方面へ、おおよそ1時間に二本、電車が行き来するようです。

2023年1月22日撮影

場所:福岡県直方市大字中泉

座標値:33.720980,130.742555

 

駅舎は理髪店「おしゃれステーションふじた」との併設になっています。駅のホームに行くと、理髪店からながれる音楽が聞こえてきます。こちらの理髪店は、書籍『九州の鉄道おもしろ史』P.437にも紹介されており、理髪店のご主人はホームの掃除も仕事の合間に行なっているそうです。

ホーム側から駅舎を見る

駅舎内部 改札の小窓

改札口

見たところ古い木造駅ですが、いつごろ、この建物は改修されたのでしょう?はっきりとした改修時期はわかりません参照。開業当時の明治時代のままということはないと思います。下サイトの写真(1982年(昭和57年)に撮影された)を参照させていただくと、1982年の壁板の張り方と、2023年の壁板の張り方が違うように見えます。

 

参照:モノフォトショップ添田カメラ

シリーズ2.昭和の駅 in 九州 中泉駅

 

また、1982年には、まだ理髪店は駅に併設されていません。ということは、1982年~2023年の間に、一度は大きな改修がおこなわれたのではないかと考えます。

 

周辺の炭鉱から貨物が入ってきていた中泉駅

赤池炭鉱の専用線には、はじめ赤池駅はつくられず、赤池炭鉱から中泉駅へと線路が敷かれていました。「石炭の運搬を鉄道ではなく船で続ける」という方たちに、赤池駅建設が反対されたためです。

 

参照:『はじめは建築を拒否された赤池駅 平成筑豊鉄道伊田線‐日々の”楽しい”をみつけるブログ-

 

そのため「金田(かなだ)駅」が1893年に建設され、5年後の1898年に中泉駅が建設されました。

金田駅が完成し、直方-金田間が開通したのが1893年(明治26年)

中泉駅へは、周辺の炭鉱から石炭が貨物列車により運ばれてきました。そして中泉駅は「貨物線分岐駅」として大きくなりました。こちらのブログを拝読すると、中泉駅には三本の貨物線が入ってきていたようです。大城第一駅・大城第二駅・日焼駅からの貨物線です。その一例、日焼(ひやき)駅からの線の跡(推定)を、以下の航空写真に示してみます。


石炭産業が廃れた後、中泉駅は新しくされなかった

石炭産業が盛んだった時代の名残が、現在の中泉駅にも残っています。産業が廃れたあとも、現在の利用状況にあわせた駅ホームの改修は行われていません。そのため、広い構内や長いホームが残っています。1960年、1980年前後の航空写真を見ても、駅舎やホームとは不釣り合いな広い駅敷地が広がっていることがわかります。

1960年代の中泉駅(航空写真)

1980年前後の中泉駅(航空写真)

下の写真だと、右側に「直方(のおがた)方面のホーム」があります。直方方面のホーム裏側に広い空き地がありますが、おそらくここも貨物列車が並んでいたのではないかと想像します。

現在ではオーバースペックとなった跨線橋

その他 参照させていただいたサイト

Wikipedia 中泉駅

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%B3%89%E9%A7%85

 

Wikipedia 日焼駅

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%84%BC%E9%A7%85

 

へいちくネット 中泉駅の時刻表

https://www.heichiku.net/timetable/station/50/

 

From the air そこに鉄路は活きていた

https://otchee.com/air/air_ita_74-2.html