福岡県 鞍手町新延(くらてまちにのぶ)の剣神社ちかくに庚申塔が祀られていました。石塔表面には「庚申塔」や「猿田彦大神」などの文字は確認できませんが、おそらく庚申塔だと思います。剣神社本殿から南東約140mの地点で、畑の一画です。
場所:福岡県鞍手郡鞍手町新延
座標値:33.788232,130.665096
巻貝のような特徴的な形状をしています。このような形に加工されたでしょうか、長い年月をかけて風雨に浸食されて、このような形になったのでしょうか。福岡県の庚申塔のなかには、ときどき、このような形状のものをみかけます。
外見からからは、浸食作用によるものなのかなと想像されます。
岩がこのような形に浸食されるには、どんな性質が関連するのか調べてみました。すると可能性として、「砂岩(さがん)」と「泥岩(でいがん)」で構成された岩が関連することがわかりました*1。この石塔が砂岩、泥岩でできているかは不明ですが、柔らかい層と固い層とで構成されているため、浸食に差ができ、シマシマになっているのかもしれません。
庚申塔と、庚申塔が乗っている台座とは、その色から石質が違うようです。台座には、以下のように文字が残っていました。
台座正面:奉建立
台座左側面:當所中
台座右側面:萬延元年 十月?吉日
台座裏側:文字は確認できず
「當所中」の「當」はトウと読み、現代でいえば「当」という漢字にあたるようです参照。「当所」つまり、”この土地、この場所”という意味で、「當所中」は”ここの土地の人たちによって建立された”と解釈しました。
「萬延(まんえん)元年」は1860年で、ちょうど干支が庚申(こうしん)の年となっています参照。
のどかな場所に祀られている庚申塔です。