ひさしぶりに、大分県の国東半島(くにさきはんとう)へ、庚申塔をさがしに行くことができました。今回の庚申塔探索でも、小林幸弘氏よりいただいたデータを活用させていただきました。小林幸弘氏は、国東半島の庚申塔を40年以上のながきにわたり探し続けられており、そのデータをまとめた書籍も出版されています参照。
小林幸弘氏の運営されているホームページ『国東半島の庚申塔』を拝読して、このなかから、ピックアップして庚申塔探索をおこないました。今回、数基さがすことができた庚申塔のうち、一基がこちらです↓
場所:大分県国東市国東町岩屋小畑
座標値:33.5677243,131.6857563
非常に保存状態が良く、庚申塔にきざまれている像ひとつひとつが、はっきりと判別できます。国東半島の庚申塔を特徴づける像が、すべてそろっているという感じです。
塔身上隅の一部が欠けているが碑面全体の状態は非常によい。勢揃いしたオールキャストの姿がはっきりと見て取れる。4夜叉の存在感がすばらしい。参照
主尊である青面金剛は、ひとつの頭に対し、6本?の腕があるようにみえますが、くねくねとした線は6本以上の腕があることをあらわしているようにも見えます。
青面金剛の両側には二童子がひかえ、青面金剛は邪鬼をふんでいます。
さらにその下には、二鶏と、「見ざる言わざる聞かざる」のかっこうをした三猿がいます。
さらにその下には四夜叉が、なぎなたのような武器をかかえ、ひかえています。夜叉の腰巻部分にはわずかに紅色の染料がのこっています。
庚申塔に向かって右側面に、「寛政五丑天」と刻まれています。寛政五年は西暦1793年、干支は癸丑(みずのとうし)です。
庚申塔に向かって左側面には「九月庚申日」と刻まれています。
国東半島の庚申塔は、一基一基、個性があるので探しがいがあります。
今回探すことができた庚申塔を、すこしずつ、ご紹介してゆきたいとおもいます。