国東半島の北西部に位置する真玉(またま)寺。真玉寺には、二基の庚申塔がまつられています。今回の記事では、そのうち一基をご紹介します。
場所:大分県豊後高田市西真玉
座標値:33.6017036,131.4757233
真玉寺は下の写真のように、周囲を池でかこわれています。真玉寺の北側に、Google mapでは「真玉城」とかかれている広場があります。むかし、真玉城が築かれていたのでしょうか。ここに車をとめられるスペースがあったので、停めさせていただきました。
池の上にかかる道をとおって、真玉寺境内をめざします。真玉寺自体が、まるで堀にかこわれたお城の跡のような印象を受けます。
真玉寺の山門前に仁王像や経塚などの石造物がならべられています。そのなかに、庚申塔もみられます。
山門にむかって左側に、経塚とならべられた庚申塔をみつけることができました。
庚申塔の像容はかなり見えにくくなっています。火焔光背をせおう青面金剛のうでは、確認できるかぎりでは4つの腕があるようです。身体の前側には複雑な模様がきざまれているようですが、それが服のひだなのか、身体の前であわせられた手なのかは判別することはできません。
青面金剛の両脇に二体の像がきざまれています。二童子かもしれませんが、細みの身体や、正面ではなく横をむいて背をまるめたような恰好から、二猿だと想像されます。
二猿の下には二羽の鶏がきざまれ、二羽とも中央部をむき、横向で刻まれています。
小林幸弘氏の著した『国東半島の庚申塔総覧』P.46によると、この庚申塔の高さは85㎝とあります。成人のおよそ腰あたりの高さがある庚申塔です。
次回は、真玉寺にまつられるもう一基の庚申塔をご紹介します。