大分県豊後高田市田染(たしぶ)には「田染荘小崎の奥」とよばれる地域があります。ここは空木(うつぎ)と小藤(おふじ)という2つの地区から成ります。この地区に西暦722年から厚く信仰される奥愛宕(おくあたご)社があります。
2016年4月10日に、一度、奥愛宕社への訪問した記事をご紹介しました参照。そのときの奥愛宕社の神秘性が忘れられず、2020年7月11日に再訪しました。
まさに山奥にある神社で、奥愛宕社に行きつくまでの約2㎞の間、数件の家しかありません。大分県国東半島をまわっていて、とても神秘性を感じることができる神社のひとつです。
【奥愛宕社本殿】
場所:大分県豊後高田市田染小崎
座標値:33.506961,131.486288
神社参道入り口までは車でいくことができますが、とても狭い道のうえ、軽自動車でもカーブの切り替えしがむずかしい場所もあります。
参道入り口前には3~4台駐車できるスペースがあります。
参道入り口からは写真のような舗装された道が、拝殿までつづきます
入口から拝殿までは直線距離で約90mです。写真は拝殿をうつしたものです。参道のそばには小川が流れ、道は苔むしているので滑ってころばないよう注意します
拝殿に向かって左側から裏側にまわることができます。左下は崖になっているので滑落しないよう注意します。拝殿の左後ろには樹齢千年といわれる御神木の榊(さかき)があります。
榊の隣には奥愛宕社を深く信仰していたかたによって不動明王像?(案内板には地蔵菩薩と書かれている)が掘られた岩が祀られています。
榊と岩の前を通り過ぎ拝殿の裏にまわると、火をつかさどるといわれる火産霊神(ほのむすびのかみ)が祀られる祠がみえてきます。
火産霊神がまつられる祠がある本殿です。毎年7月に空木(卯の花)という植物をつかって火を起こし、この火で献燈の神事がおこなわれるそうです。昔、このあたりで修行していた修験者が自生している空木を使って火をおこしていたことから、この地区は空木(うつぎ)という地名となったといわれます(参照:案内板)。
神事がおわると「火逎要慎(ひのようじん)」と書かれた祀符(しふ)が参拝者に配られます。この祀符は火に関する災いをしりぞけてくれるとされています。奥愛宕社の裏手には、さらに岩峰がそびえ、六郷満山の僧侶や山伏たちが修行をおこなったそうです。
六郷満山の峰入りでは奥愛宕社参道入り口にある鶏亀地蔵堂から、岩峰をこえ、高山寺へとむかったとされています。