場所:福岡県古賀市筵内(むしろうち)
座標値:33.733109,130.499839
福岡県古賀市にある熊野神社に、『阿弥陀如来像板碑(あみだにょらいぞういたび)』が祀られているという情報を得て、みにいってみることにしました。板碑(いたび)は主に死者をとむらうためにたてられる石塔のようなもののようで、大分県国東半島では、たびたび見ることができました。
福岡県内で板碑と名のつく史跡を目にすることが稀なので、福岡県でつくられた板碑がどのようなものなのか、実際にみてみたいと思いました。
しかし今回は、その板碑をご紹介するのではなく、板碑が祀られる熊野神社を訪れた際、たまたま庚申塔をみつけることができたので、庚申塔のご紹介をします。
熊野神社の庚申塔が祀られていたのは、こちらの一の鳥居にむかってすぐ左側でした。
だいぶ庚申塔の風化がすすんでおり、刻まれている文字はほとんどみえなくなっています。しかし庚申塔正面の「庚申」という文字と、その文字の右側に「宝(?)暦十二 年」という文字をかろうじてみることができます。宝暦12年は西暦1762年です。
このように表面の文字がみえにくくなっている石塔を記録として写真に撮るさい、文字をいろんな角度から写真を撮ると、あとから写真をみかえすとき文字が判別しやすいことがわかってきました。
文字は凹凸の多い面に刻まれているので、文字を見る ちょっとした角度のちがいで見やすさが変わるようです。直射日光があたっていると、どうしても文字の凹凸がみえにくくなってしまいます。
正面からの写真だけでなく、上から、右から、左から、下から、はたまた斜めからというふうに撮ると、光の加減により文字がよりみやすくなることがあります。
また薄暗い場所に庚申塔がまつられている場合、懐中電灯をななめから照らすと、文字の凹凸がみやすくなる場合があります。
できるだけ多くの写真を撮っておくと、あとから写真をみかえすとき、「もうちょっと写真を撮っておけばよかった」と後悔せず落ち着いて文字を確認することができるような感じがします。
今回の庚申塔は正面から写真を撮ると、文字が比較的はっきりと判別できました。ふるい石塔の記銘を判読するのには、いつも四苦八苦しています。