日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、九州北部を中心にNikon D750をメイン機として史跡を撮っています。詳しい撮影場所は各記事に座標値として載せていますので、座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで撮影場所が表示されます。参考にされてください。

三猿だけが刻まれるめずらしい庚申塔 大分県大分市蕨野(わらびの)

先日、大分市へいく用事がありました。用事を済ませ、福岡の自宅に帰るまでにまだ少し時間があったので、一か所だけでも…と、大分市内の庚申塔を探してみることにしました。

 

大分県内の庚申塔をまとめた『大分県の庚申塔』というサイト(↓)を参照し、近い場所でめずらしい庚申塔がないか探してみたところ、蕨野(わらびの)という地区に三猿を主尊とするめずらしい庚申塔があることがわかりました。

 

http://5.travel-way.net/~niemon/ooita/ooitasyomen.html

 

実際にいってみて確認してみたところ、目標とする庚申塔はすぐに見つかりました。日枝神社参道入口。灯篭が参道両側に立っていますが、その灯篭をすぎてすぐ右側に3つの石塔があります。そのうちのひとつが庚申塔です。↓下の写真は反対側から写したものなので、参道の左側に庚申塔が写っています。

場所:大分県大分市岡川蕨野 日枝神社

座標値:33.1685696,131.5869904

 

↓庚申塔は板状のもので、将棋の駒のような形となっています。情報どおり三猿が刻まれています。三猿は「みざる いわざる きかざる」のしぐさをとっています。

真ん中の猿の右側に「甲申塔」という文字が刻まれています。刻まれている文字はこれだけで、側面にも背面にも文字は見あたりませんでした。よって建立年月などの詳細はわかりません。

 

このように猿だけが刻まれている庚申塔は、以前なにかの本で見たことがあります。自宅へ帰ってから、手元の資料を調べてみるとありました。

 

 

庚申塔の研究 (清水長輝著)のP143「主尊としての猿」という項に紹介されていました。その庚申塔は「東京都大頭区浅草芝崎町3丁目 万竜寺」に祀られているとのことです↓

万竜寺の庚申塔と、日枝神社の庚申塔は猿の配置がとてもよく似ています。庚申塔の研究 (清水長輝著)のP143では、庚申塔に猿が刻まれるようになった経緯が紹介されています。その内容を箇条書きでまとめてみます↓

 

・江戸時代初期に猿があらわれるようになった

・その後、3猿となった

・1662~1681年に猿を庚申塔の主尊として扱うようになった

・1猿を主尊とするものも現れてきた

 

同書には”猿を主尊として扱ったのは、初期の三猿に引き続いて、寛文、延宝(えんぽう)ころの古いものに多い”とあります。寛文、延宝は西暦でいえばいつごろなのか調べてみると、1662年から1681年ごろとわかります。この時期よりも古い時期に三猿が庚申塔に刻まれていたことが、本文からは読み取れます。

 

ということは、大分県の日枝神社にあるこの庚申塔↓は、1600年代という古い時期(庚申塔初期)につくられたものなのかもしれません。 

釈迦三尊像のように、猿が仏様の代わりに三尊形式で刻まれている庚申塔に出会えました。とてもうれしい体験でした。