福岡県北九州市には7つの区があり、そのうちのひとつが八幡西区。八幡西区の形は複雑な形をしていて、ちょっとブーツのような印象もあります。このブーツのつま先底部分に木屋瀬(こやのせ)という地区が位置します。木屋瀬はむかし、長崎街道の宿場町のひとつでした。
木屋瀬には扇天満宮(木屋瀬3丁目5番)という、境内が比較的ひろい神社があります。境内の一角は公園となっており、毎年5月第4日曜日に、新入学1年生の学業祈願祭がおこなわれるそう。その際には子どもたちの書画を貼った”ぼんぼり”が参道と境内を照らすという(参照:北九州市史(民俗編)P631)。今は”ぼんぼり”が設置されるかどうかはわかりませんが、地元のかたの話によると学業祈願祭は今でも開催されるようです。
そんな扇天満宮の一角に庚申社があります。
庚申社の祠を正面にすると、左奥に庚申塔が祀られています。
庚申塔には猿田彦大神と刻まれ、その両側にはおそらく建立年月日が刻まれていたようですが、もう文字は風化し読むことはできません。
場所:福岡県北九州市八幡西区木屋瀬3丁目
座標値:33.781751,130.718018
上の猿田彦庚申塔のすぐ右隣り…祠の真後ろにも、もう一基庚申塔らしき石塔が確認できます。塔の正面には「彦大」という文字が確認できるので、おそらくこれも「猿田彦大神」と思われます。
塔に向かって右側面に、「天明」という文字が刻まれているようです。文字が刻まれている部分が、ちょうど大きくはがれてしまっています。天明であれば1780年代の建立と考えられます。
扇天満宮のすぐとなりには、車通りの多い県道73号線が走っています。でもこの神社境内は、なんとも落ち着いた雰囲気でした。