日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

時間を表す文字「天」について メモ

前回の記事でご紹介した庚申塔の、紀年銘につけられた「天」について追記します。

 

ooitasyuyu.hatenablog.com

 

庚申塔の側面に「天明三癸卯天」と、その庚申塔が造られた年が刻まれていました。この文字の「天」について、「国東半島の庚申塔」の著者である小林幸弘氏からご教授をいただきました。その内容を以下に引用します。

 

年号を示す紀年銘につけられた「天」は「年」の代わりに用いられています。同じような代用例としては、「歳」「暦」「季」「稔」や、「龍次」「歳次」などもまれに見られるようです。

 

ブログ記事のなかで、わからない部分や不明瞭な部分について、追加情報や詳しい資料を送付していただいたりと、いつも小林氏にはたいへんお世話になっております。

 

「年」をあらわす字がこんなにもあるのですね。ネットでも調べてみるとこちらのサイト(【漢字講座】年(とし、ねん) | 拝島大師)では載・紀・寿・暦・霜・齢・籤などの文字も「年」と同じ意味があることが紹介されていました。

 

同サイトによると「年」という字は「秊」という字をもとにしてつくられたのだそうです。

季節の「季」によく似ていますが、「秊」は「禾」の下に「千」を書き季節の季とは違う文字のようです。「禾」は「のぎ」と読み”穀物の穂先の毛”、または稲など穀物の総称を意味する文字なんだそう。だから「秊」は千の禾で”たくさん穀物が実る”という意味になるんだそうです。

 

年という字は「みのる みのり」と訓じます。年の一字で穀物を表します。穀物は一年かけて成長し、一年に一回成熟するので、年は正月元旦から十二月大晦日までの三六五日の一年の「とし」を示します。(参照

 

「年」という文字ひとつを掘り下げていっても、たくさん新しいことが発見できます。小林氏からご教授いただいた文字…「歳」「暦」「季」「稔」について改めて見てみると、どの文字もある一定の周期を表す文字であったり、上記であったような穀物に関する文字であったりします。

 

では「龍次」「歳次」はどのような意味なのでしょう?「歳次」については…

 

「歳」は歳星すなわち木星、「次」は宿りの意。昔、中国で、木星が12年で天を1周すると考えられていたところから》としまわり。(参照)

 

…とあります。つまり「歳次」は12年周期を表す文字のようです。

 

では「龍次」は?この文字については、周期についての説明が書かれたサイトは見つかりません。しかし、「歳次」と同様の意味があるのかもしれません。「歳」は木星ですが「龍」は言い換えると「辰」。神聖な生き物であり、かつ十二支のひとつである「辰」を基準として12年を1周期として期間を表したとも考えられます。

 

この記事のタイトルにも出てきた「天」について、前回の記事では「天」は"人を超えた存在"と違う解釈をしていました。もう少し天について調べてみると、この文字にも周期を表す意味が含まれていました。

 

時間としての天
天と関連の深い太陽との結び付きにより、派生義として時間をも指すようになった。

 

天に太陽が昇っている間、すなわち昼間を指す。「白天」と同じ。


現代中国語では、太陽が昇って沈み、再び昇るまでの間、すなわち「日」(24時間)を指すことも多い。


さらには、数ヶ月間に及ぶ時期を指す場合もある。例:「春天」。

天 - Wikipedia

 

まだまだ知るべきことがたくさんあります。